オンコリスバイオファーマ<4588>は5日、2021年12月期第3四半期(21年1月-9月)決算を発表した。売上高が前年同期比53.3%増の3.18億円、営業損失が9.63億円(前年同期は11.67億円の損失)、経常損失が9.76億円(同11.85億円の損失)、四半期純損失が9.79億円(同15.45億円の損失)となった。



当第3四半期の創薬事業における、がんのウイルス療法テロメライシンの開発に関し、中外製薬<4519>において進められてきた「化学放射線療法併用による食道がんPhase1臨床試験」の患者募集及び「抗PD-L1抗体アテゾリズマブ及び化学放射線療法併用による頭頸部がんPhase1臨床試験」の計画について、テロメライシンの治験薬の製造遅延や新型コロナウイルス感染症患者増加による症例登録への影響などの理由から、中外製薬が治験中止を判断した。

さらに、同社及び中外製薬は、今後の事業戦略を総合的に勘案した結果、本契約を解消することに合意した。同時に、テロメライシンの有効性・安全性の問題によるものではないことを両社間で確認している。

また、テロメライシンの製造に関して、これまで委託してきたLonza Houston, Inc.(米国)に加えて、ウイルスベクターの製造経験が豊富なHenogen SA(ベルギー)を第二委託先として決定した。これにより、テロメライシンの上市に向けた製造体制の充実と製造拠点の分散によるリスク低減を図りつつ、同社は、今後独自でテロメライシンの日本国内の承認申請を目指す方針であるとしている。



新型コロナウイルス感染症治療薬OBP-2011においては、細胞培養系の実験で新たにインド型及び南アフリカ型変異コロナウイルスへの効果が確認された。この結果、世界保健機関(WHO)が懸念すべき変異株(VOC: Variants of Concern)として指定するイギリス型「アルファ株」、ブラジル型「ガンマ株」、インド型「デルタ株」及び南アフリカ型「ベータ株」の全てのVOCに対する効果が確認された。この結果に加え、OBP-2011は、重症急性呼吸器症候群(SARS)及び中東型呼吸器症候群(MERS)ウイルスに対しても同程度の効果を示しており、幅広いコロナウイルスの増殖抑制効果を持つことも確認された。

また、治験薬製剤のGMP製造をスペラファーマに委託した。既に前臨床試験に関する共同研究契約を締結している新日本科学<2395>及び治験薬原薬のGMP製造を委託しているスペラネクサスと共に、2022年上半期の治験申請を達成できるように開発を推進している。



2021年12月期通期の業績予想については、売上高が前期比111.4%増〜222.9%増の3.50億円〜7.00億円、営業損失が20.00億円〜16.50億円、経常損失が20.00億円〜16.50億円、当期純損失が20.00億円〜16.50億円とする期初計画を据え置いている。