■業績動向



2. 事業セグメント別動向

(1) クリエイティブ分野(日本)

クリエイティブ分野(日本)の売上高(社内取引含む、以下同様)は前年同期比16.3%増の14,509百万円、営業利益は同59.2%増の1,301百万円と半期ベースで過去最高を2年連続で更新した。主力のテレビ・映像、ゲーム、Web分野が揃って2ケタ増収と好調に推移したほか、「漫画LABO」で制作されたオリジナル作品でヒット作が生まれ、電子書籍の販売収入が増加したこと等が増収増益要因となった。



分野別業績の前年同期比伸び率をクリーク・アンド・リバー社<4763>が開示している構成比から試算すると、映像(テレビ、映画)分野は21.2%増収、8.5%増益となった。増収要因のうち、半分程度は2020年8月より連結対象となった(株)ウイング※の業績がフル寄与したことによるものだが、既存事業ベースでも同社で手掛けるテレビのレギュラー番組などが堅調に推移し増収となっている。なお、東京オリンピック・パラリンピックの開催による業績への影響については、若干のマイナスに作用したもようだが、全体に与える影響は軽微であった。



※ウイングはNHK及び関連会社の番組制作・編集部門へのスタッフ派遣、並びに気象キャスターの派遣を行っており、年間売上高は約7億円、営業利益も若干の黒字を計上している。のれんは70百万円で5年定額償却となっている。





ゲーム分野は13.0%増収、33.8%増益となった。売上高は新作ゲームの旺盛な開発需要を背景に、同社及び子会社の(株)クレイテックワークスともに2ケタ増と好調に推移した。Web分野(紙媒体含む)は16.3%増収、14.4%増益となった。派遣・請負事業ともに堅調に推移したほか、前年にコロナ禍で落ち込んでいたアウトソーシング事業(求人情報サイトやグルメ情報サイト運営会社からのサイト掲載記事の作成・編集・撮影業務の受託)の売上も回復してきたことが増収増益要因となった。



電子書籍・YouTube等分野は16.3%増収、79.0%増益となった。電子書籍については、Amazon Kindle等の電子書店向け配信数やダウンロード数が順調に拡大したほか、「漫画LABO」で制作されたオリジナル作品でベストセラー作品が生まれたことも増益要因となった。YouTube関連ではクリエイターによりアップロードされた動画の月間総再生回数が7.4億回(2021年8月末)超と順調に増加しているほか、企業やテレビ番組のYouTubeチャンネルの運用受託も増加した。そのほか、中国向け版権ビジネスについても増収となっている。



新規エージェンシー・その他分野(建築、シェフ、コンピュータサイエンス、ライフサイエンス、アグリ、CXO、アスリート、舞台芸術、VR等)の売上高は45.4%増収となり、営業損失も3億円弱縮小したものと見られる。建築分野では、一級建築士の紹介及びBIM※技術者の派遣が堅調に推移したほか、設計・建築の受託案件が堅調に拡大した。そのほか、AI等のコンピュータサイエンスの技術者や博士、ライフサイエンスの研究開発者及び研究補助者、企業における業務や機能の最高責任者、シェフ等のエージェンシー事業等を展開し、今後の成長に向けた取り組みを推進した。また、VR事業についてもまだ先行投資段階ではあるものの、コンテンツ制作については堅調に伸びている。



※BIM(Building Information Modeling)とは、コンピュータ上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースを、建築の設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用を行うためのソリューションのことを指す。





(2) クリエイティブ分野(韓国)

クリエイティブ分野(韓国)の売上高は前年同期比4.2%増の1,743百万円、営業利益は2百万円(前年同期は15百万円の損失)となった。2021年2月期にゲームソフトのライツマネジメント事業を終息させたことが損益の改善要因となっている。また、主力のテレビ業界向け制作スタッフの派遣事業は横ばいで推移したものの、新規ビジネスとして注力しているデジタルコミック(Webtoon)やYouTube関連のコンテンツ事業が伸長し増収要因となった。



(3) 医療分野

医療分野では、子会社の(株)メディカル・プリンシプル社(出資比率100.0%)で「民間医局」ブランドによる医師紹介事業を中心に、医学生・研修医を対象とした合同説明会「レジナビFair」や「レジナビFairオンライン」、臨床研修情報サイト「レジナビ」、若手医師向け情報収集サイト「民間医局コネクト」等のサービスを提供している。



売上高は前年同期比13.7%増の2,618百万円、営業利益は同24.0%増の826百万円と2年ぶりに過去最高を更新した。コロナ禍の影響で前年に続き「レジナビFair」のリアル開催はできなかったものの、代替手段として「レジナビFairオンライン」を開催したことにより、1億円強の増益要因となっている。また、勤務医(常勤・非常勤)の紹介事業については、新型コロナウイルスワクチン接種に対する医療機関や自治体、企業向けのスポット紹介案件も含めて好調に推移し増収増益要因となった。



なお、「レジナビFairオンライン」の開催数は2020年7月以降、約1,300回(2019年は9回)、研修医・医学生の参加者数は約2万人(2019年の会場開催は約1万人)と大きく実績を伸ばしている。オンライン配信としたことで、全国のあらゆる地域の病院や学生の参加が可能となったことが大きい。このため、2023年2月期以降はオンラインと会場での併催を進めていく予定にしている。



(4) 会計・法曹分野

会計分野は子会社のジャスネットコミュニケーションズ(株)(出資比率100.0%)、法曹分野は(株)C&Rリーガル・エージェンシー社(同90.0%)でエージェント事業を中心に展開している。



売上高は前年同期比2.7%増の1,037百万円、営業利益は同41.4%減の39百万円となった。このうち会計分野について見ると、売上高で同1.9%増の883百万円、営業利益で同59.1%減の17百万円となり、法曹分野についても増収減益になったと見られる。コロナ禍が続く中で、顧客企業の採用選考の遅延や管理部門を中心とした採用計画の見直し等の影響が続き、会計分野においてやや回復に遅れが生じているが、法曹分野の業績は持ち直し傾向となっている。利益面では、今後の成長に向けた人材登録の促進に取り組んだことが減益要因となった。なお、第2四半期(2021年6月−8月)だけで見ると、売上高は前年同期比11.1%増の518百万円、営業利益は同45.8倍増の20百万円と5四半期ぶりの増収増益に転じている。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)