■業績動向



1. 2022年3月期第2四半期業績の概要

チノー<6850>の2022年3月期第2四半期の受注高は主に自動車や電子部品分野での生産活動回復による設備投資の増加により前年同期比13.0%増の11,712百万円と増収となり、売上高で同4.3%増の9,711百万円となった。利益面については、営業利益が同290.3%増の387百万円となった。増益の要因は、計測制御機器及びセンサの需要回復による売上高の増加及び計装システムの原価率改善などが挙げられる。親会社株主に帰属する四半期純利益は、同53.4%減の249百万円となった。これは前年同期に明陽電機の連結子会社化に伴う特別利益として負ののれん発生益557百万円を計上した反動減によるものであるため、同社業績については堅調に推移しているものと考えられる。



2. 主なセグメント別業績

1) 計測制御機器

計測制御機器の売上高は3,725百万円(前年同期比15.8%増)、セグメント利益(営業利益)は411百万円(同10.0%増)となった。2021年3月期は新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)による顧客の生産活動の停滞、設備投資の先送りの影響を大きく受けた。一方で、2022年3月期第2四半期は記録計を中心に海外向け、特に中国を中心としたアジア地域において需要が伸長し、調節計とサイリスタレギュレータは大口顧客の需要の回復が見られた。このほかにも、HACCPに沿った食品衛生管理の運用を支援する温湿度計やロガーの製品ラインナップの拡充を進め、受注活動を展開した。



2) 計装システム

計装システムの売上高は2,499百万円(前年同期比5.0%減)となった。セグメント利益(営業利益)については、個別案件の工程管理と原価管理を徹底し、149百万円(同481.3%増)を確保した。2021年3月期後半から需要が回復した電子部品関連の製造装置向けの売上が引き続き順調に推移している。また脱炭素関連として、自動車関連向けの燃料電池評価試験装置や、水素のエネルギー利用の研究・開発用途の水電解評価装置の需要が拡大している。



3) センサ

センサの売上高は3,107百万円(前年同期比1.3%増)、セグメント利益(営業利益)は572百万円(同45.6%増)となった。センサ事業では放射温度計、温度センサ共に半導体・電子部品関連の製造装置向け海外需要が好調であり、今後は国内の需要も回復していくことが期待される。また放射温度計は鉄鋼関連の設備更新、温度センサはバイオマス関連の需要も堅調に推移した。





財務状況は引き続き良好であり、短期的な財務懸念はない

3. 財務状況と財務指標

2022年3月期第2四半期末の資産合計は2021年3月期末に比べて292百万円減少し、30,106百万円となった。流動資産は2021年3月期末と比べ239百万円減少し、20,059百万円となった。この主な増減は現金及び預金の増加512百万円、棚卸資産の増加556百万円、売上債権の減少1,354百万円である。固定資産は、前連結会計年度末に比べ52百万円減少し、10,047百万円となった。



負債合計は2021年3月期末と比べて406百万円減少し、10,489百万円となった。流動負債は2021年3月期末と比べて109百万円減少し7,165百万円となった。この主な要因は未払法人税等の減少59百万円である。固定負債は、前連結会計年度末に比べ297百万円減少し3,324百万円となった。純資産合計は2021年3月期末と比べて114百万円増加し19,617百万円となった。



また主な経営指標に関して、流動比率は2021年3月期末比0.9ポイント上昇の279.9%であることから、短期的な財務懸念はないと弊社では分析している。また自己資本比率は2021年3月期末比で0.7ポイント上昇した。これらより同社の財務体質は特段問題ないものと考えられる。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)