■業績動向



2022年3月期第2四半期は増収及び大幅な増益で着地。適正な原価管理及び販管費の抑制が寄与



1. 2022年3月期第2四半期業績の概要

アイエックス・ナレッジ<9753>の2022年3月期第2四半期の業績は、売上高が前年同期比8.7%増の9,197百万円、営業利益が同63.4%増の652百万円、経常利益が同63.8%増の700百万円、四半期純利益が同73.2%増の493百万円と、増収及び大幅な増益となった。



売上高は、コンサルティング及びシステムインテグレーションサービスにおいて、大手通信事業者向けシステム開発案件やシステム検証案件の拡大に加え、資産運用事業者向けシステム開発案件が拡大した。また、システムマネージメントサービス(運用サービス)においては、大手ベンダー経由の社会・公共サービス系システム運用案件や基盤・環境構築案件が拡大した。なお、コロナ禍の影響によるプロジェクトの遅延や中止はほとんどなく、DX化の推進機運の高まりが追い風となっている。



利益面では、売上高の増加に加え、適正な原価管理による原価率の低減が増益に貢献した。原価率は前年同期から1.4ポイント改善し79.7%となった。また、働き方改革や社内デジタル化への継続的な取り組みにより、販管費を抑制できたことも寄与した。具体的には、働き方改革としては、リモートワークの推進による通勤費や出張費の削減、社内デジタル化への取り組みとしては、新たに稼働した新基幹システムによる生産性向上が挙げられる。販管費率は前年同期比1.0ポイント低下し13.2%となった。これらの結果、上期としては過去最高水準の営業利益となった。





自己資本比率54.8%、流動比率308.4%と安全性が高く堅実な財務体質



2. 財務状態と経営指標

2022年3月期第2四半期末における総資産は10,902百万円となり、前期末比253百万円増加した。そのうち流動資産は同169百万円増加したが、これは、現金及び預金が178百万円増、受取手形、売掛金及び契約資産が153百万円増加したことが主な要因である。固定資産は同84百万円増加したが、投資その他の資産が102百万円増加したことが主な要因である。



負債合計は前期末比167百万円減の4,926百万円となった。そのうち流動負債は同84百万円減少したが、これは未払金の99百万円減少したことが主な要因である。固定負債は同82百万円減少したが、これは退職給付引当金が56百万円減少したことが主な要因である。



純資産合計は前期末比420百万円増の5,976百万円となった。これは、利益剰余金が400百万円増加したことが主な要因である。



流動比率は308.4%と短期の安全性の目安となる200%を大きく上回る。また、自己資本比率は54.8%であり、中長期の安全性も高い。これらの結果から、全体として健全な財務体質を維持していると言える。





2022年3月期は期初計画を据え置き、増収増益予想。受注環境は良好で各利益の進捗も好調であることから、上振れて着地する可能性も



3. 2022年3月期業績の見通し

2022年3月期の業績については期初予想を据え置き、売上高で前期比7.7%増の18,616百万円、営業利益で同3.6%増の900百万円、経常利益で同2.4%増の945百万円、当期純利益で同0.9%増の635百万円と増収増益を見込んでいる。



受注環境については、コロナ禍がもたらした急激な社会変化に対応して、企業は働き方改革や競争力強化に向けたビジネス変革への取り組みを引き続き進めていくことが予想され、それを支えるIT投資は堅調に推移すると見込まれる。2021年12月中旬時点ではコロナ禍は落ち着いており、社会や経済は回復基調にある。システム開発に関しては、既に受注している案件をこなしつつ、新規案件の獲得及び既存案件の拡大に力を入れる。特に、既存事業では車載組込みシステム開発案件、第三者検証サービス案件、運用設計や基盤構築案件などの受注拡大を目指す。新規ではクラウド化案件(オンプレミスからクラウドへの移行や統合など)の受注拡大を目指す。人員の補強がカギとなるが、定期的な新卒採用(2021年4月に84名を新卒採用、2022年4月は85名が内定)に加えてパートナーとの連携も強化されており、機会を逃さない体制が整っている。なお、通期業績予想に対する売上高の進捗率は49.4%(前年同期は48.9%)と順調に推移している。



営業利益は前期比3.6%増、営業利益率で4.8%(同0.2ポイント低下)を見込んでいる。通期業績予想に対する営業利益の進捗率は72.5%(前年同期は46.0%)と好調に推移しているほか、売上高総利益率も18.8%(同0.2ポイント上昇)に対し20.3%と良好だ。下期については、引き続き適正な原価管理による原価率の低減を推進するほか、不採算案件の撲滅も徹底する方針だ。また、販管費については、期初予想では前期比10.6%増の予定であったものの、働き方改革や社内デジタル化への継続的な取り組みにより、下期も抑制できる公算が高い。弊社では、同社の顧客ポートフォリオが多様であり既存顧客からの安定的な受注が見込めること、コロナ禍を契機としてクラウド化のニーズが顕在化しDX化の動きが活発となっていること、通期業績予想に対する利益進捗率が70%超であること等から、売上高はやや上振れ、各利益は大幅な上振れが期待できると見ている。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)