■ジャパンベストレスキューシステム<2453>の業績動向



3. 財務状況と経営指標

2021年9月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比6,971百万円増加の28,175百万円となった。アクトコール他1社を子会社化したことが増加要因の大半を占めている。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金が2,767百万円、未収入金が923百万円、売掛金が479百万円それぞれ増加した。固定資産では投資有価証券が661百万円減少したものの、ERPシステムの導入によりソフトウェア仮勘定が520百万円増加したほか、アクトコール他1社の子会社化に伴いのれんが1,808百万円増加した。ERPシステムについては2021年10月より稼働を開始しており、2022年9月期から償却を開始する(5年償却)。



負債合計は前期末比3,210百万円増加の16,507百万円となった。会員事業における前受収益及び長期前受収益が合計1,626百万円増加したほか、有利子負債が787百万円増加した。なお、前受収益の増加については、「安心入居サポート」「あんしん修理サポート」「学生生活110番」などの会員数増加に加えて、アクトコールの「アクト安心ライフ24」の前受収益が上積みされている。期末時点で9,266百万円まで積み上がっており、2022年9月期以降に売上計上されることになる。



純資産合計は前期末比3,761百万円増加の11,668百万円となった。主に資本剰余金が2,445百万円増加し、自己株式が1,357百万円減少(増加要因)したことによる。同社はアクトコール他1社を株式交換で子会社化したが、そのときに用いられた自己株式300万株の簿価は450円で過去に市場から13.5億円で購入したものとなる。その後株価は上昇し、株式交換比率を決定した際の株価は931円となっていたため、本来であれば28億円が必要だった買収資金を13.5億円のコストで実施できたことになり、自己株式を効果的に活用できたと言える。



経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率は前期末の35.8%から40.2%に上昇し、逆に有利子負債比率は31.1%から27.8%に低下した。自己株式の処分に伴い自己資本が大きく増加したことが主因だ。ネットキャッシュ(現預金−有利子負債)も80億円以上と同社の事業規模からすれば潤沢にあり、また、投資有価証券も68億円強の水準となっていることも考えると、財務の健全性は高いと判断される。同社は今後の投資有価証券の運用方針に関して、事業提携関係にある上場株式に関しては基本的に保有継続方針であるものの、その他の株式や金融商品に関しては適切な時期を見計らい徐々に減らしていく意向を示している。同様に未上場企業の株式に関してはIPOしたタイミングで一部を売却することにしている。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)