■要約



フォースタートアップス<7089>は、「人材」と「資金」の両側面でスタートアップ企業※1等の成長を支援するハイブリッドキャピタル※2である。「for Startups」という経営ビジョンを掲げ、さらなるサービスの拡大や既存サービスの充実を図ることで成長産業のエコシステムを強化し、日本の再成長に尽力したいと考えている。



※1 スタートアップ企業・急成長企業を指す。同社のターゲットはスタートアップ企業・急成長企業で、対象人材は経営層などであるため、既存の人材サービス企業とのすみ分けがなされている。

※2 同社の造語で、人材と資金の支援を同時に行うことで企業成長を後押しする状態。





1. 2022年3月期第2四半期累計業績の概要

2022年3月期第2四半期累計業績は、売上高が1,094百万円、営業利益が317百万円、経常利益が316百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が218百万円となった。また、通期計画に対する進捗率については、売上高で49.7%、営業利益で70.4%、経常利益で70.2%、親会社株主に帰属する当期純利益で70.3%と順調に推移している。なお、2021年5月にフォースタートアップスキャピタル(同)を設立し、同子会社を通じてフォースタートアップス1号投資事業有限責任組合を新たに設立したことに伴い、2022年3月期第2四半期から連結決算に移行した。



同社では、中長期の成長を見据えて、2022年3月期を「ハイブリッドキャピタル元年」と位置付け、人材の支援に加え、資金の支援を開始した。人材紹介需要の安定成長により受注は順調に推移しているほか、人材への積極投資が計画どおり推移していることから、さらなる成長が見込めると弊社では予想している。同社は収益性が高いことが特長で、2022年3月期第2四半期累計の営業利益率は29.0%であった。また、市場環境も好調で、成長性も高い。下期は人員増、オフィス拡張など積極的な先行投資を実施する予定ではあるものの、中長期的な視点での収益性は良好と弊社では見ている。



2. 2022年3月期業績の見通し

2022年3月期の連結業績予想については、フォースタートアップスキャピタル及びフォースタートアップス1号投資事業有限責任組合の運営費用が僅少であり、連結業績に与える影響は軽微であるとし、2021年8月に上方修正した単体予想値と同額とした。この結果、売上高は2,200百万円、営業利益は450百万円、経常利益は450百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は310百万円を見込んでいる。通期予想に対する進捗は順調に推移しているほか、人材紹介需要は安定成長が続いており、受注は引き続き高水準で推移していること、主力サービスであるタレントエージェンシーで継続的な売上成長を実現していることなどから、通期計画達成の可能性は高く、上方修正も期待できると弊社では予想している。



3. 中長期の成長戦略

国内では政府主導のスタートアップ企業支援策が進められているほか、近年のオープンイノベーション機運の高まりもあり、スタートアップ企業の認知度や存在意義は高まりつつある。同社によると、国内スタートアップ資金調達市場は、2020年は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)により足踏みしたものの、2021年は大型調達のスタートアップの増加が加速しており、今後もこの傾向は続くと見込まれる。スタートアップ企業において調達資金の多くは人材採用に充当されるケースが多いことから、同社の主力サービスであるタレントエージェンシーにとって好環境下にあると言える。このような状況のなか、同社は中長期の成長を見据え、2022年3月期を「ハイブリッドキャピタル元年」と位置付け、人材の支援に加え、資金の支援を開始した。具体的な成長戦略としては、(1) スタートアップエコシステム形成による自律的成長サイクルの構築、(2) 持続的な競争優位の確保、(3) オペレーションの改革による生産性向上、(4) コアコンピタンスを活用した事業領域の拡大、などの施策を進めていく方針だ。同社の強みであるネットワークやデータベースなどは参入領域拡大においてアセットとなる要素であることから、参入リスクを軽減できると弊社では見ている。従来のアセットを生かした新規参入となるため成功確度は高く、高収益・高成長につながると期待している。



■Key Points

・「人材」と「資金」の両側面でスタートアップ企業を支援するハイブリッドキャピタル企業

・2022年3月期第2四半期は、人材紹介需要の安定成長により受注が順調に推移

・2022年3月期通期予想に対する進捗は順調。通期計画達成の可能性は高く、上方修正も期待

・2022年3月期を「ハイブリッドキャピタル元年」と位置付け、人材の支援に加え、資金の支援を開始



(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)