■業績動向



1. 2022年3月期第2四半期業績概要

冨士ダイス<6167>の2022年3月期第2四半期業績は売上高8,363百万円(前年同期比23.8%増)、営業利益677百万円(同906百万円改善、黒字転換)、経常利益716百万円(同838百万円改善、黒字転換)、親会社株主に帰属する四半期純利益505百万円(同588百万円改善、黒字転換)とコロナ禍で低迷した前上期の反動増で自動車生産が回復、加えて半導体や2次電池などの生産拡大の寄与もあり、収益が大幅回復した。同社は期初計画で売上高7,740百万円、営業利益260百万円を予想していたが、8月10日の第1四半期決算公表時に足元のユーザーの生産活動の活発化が想定を上回ったとして、売上高8,070百万円、営業利益420百万円、経常利益450百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益310百万円に予想を上方修正したが、この数字をも上回る収益で着地した。



2. 2022年3月期第2四半期はコロナ禍の反動増で自動車生産が拡大。半導体及び電池関連向けも拡大し、収益大幅回復

製品別売上高動向では全製品で2ケタの回復を見せている。超硬製工具類は海外向け溝付ロールが堅調に推移、自動車生産の回復で冷間フォーミングロールや押出金型、ダイス販売が堅調に推移、売上高は2,179百万円(前年同期比11.9%増)に。超硬製金型類では、半導体関連需要の拡大が続き、関連する金型販売が好調に推移、車載電池用金型販売も増加し、売上高1,987百万円(同19.6%増)に。その他の超硬製品は半導体関連需要の拡大で関連金型素材の販売が好調に推移、自動車の電動化に伴う金型素材の販売や、海外向け電池用金型素材販売も増加し売上高は2,055百万円(同29.5%増)となった。超硬以外の製品では、引抜鋼管の販売や、放電加工用電極、鋼製自動車部品用金型、KF2製混錬工具販売も堅調に推移し、売上高2,140百万円(同37.3%増)と高い伸びを記録した。ただし、コロナ禍以前の2020年3月期上期との比較では、全体で5.9%減収にとどまっており、超硬製工具類、超硬製金型類は2ケタ減収と、本格回復には至っていない。



3. 顧客産業分類別状況

単体ベースの主要産業分類別売上高推移を見ると、半導体需要の拡大から関連する金型・金型素材の販売が好調に推移、車載電池用金型販売も好調に推移、電機・電子部品向けが38.3%増、金型・工具向け素材31.2%増、輸送用機械26.4%増など高い伸びとなった。ただし、こちらもコロナ禍前の2020年3月期第2四半期比較では電機・電子の6.4%増、金型・工具向け素材の8.0%増を除き減少しており、特に、生産・業務用機械34.2%減、輸送用機械17.8%減、鉄鋼13.5%減など2ケタ減のところもあり、単体ベースの方が本格回復には至っていない状況にある。



利益面では増収効果が大きく、一部MIX良化もあり、売上総利益率が大幅改善、販管費負担減で営業利益は黒字転換となった。特に四半期推移で見ると、コロナ禍を前提にコスト削減を実行するなかで需要増から生産が拡大、原材料についてもまだ原価高となる前の材料で生産できたことから、2022年第2四半会計期の売上高総利益は2019年第3四半会計期以来の1,143百万円となり、売上総利益率も2018年第1四半期の27.6%に次ぐ26.4%、営業利益率8.6%も2018年第2四半期の9.1%に次ぐ高さとなっている。



4. 財務状況と経営指標は健全性高い

同社は創業以来、黒字経営を継続、高い自己資本比率を維持している。手元資金も潤沢であり、収益環境が厳しいなかでもネットキャッシュ残高は高位で推移している。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)