■リニューアブル・ジャパン<9522>の事業概要



1. 市場環境

資源エネルギー庁「2050年カーボンニュートラルの実現に向けた検討」及び「第6次エネルギー基本計画」によると、国内の再生可能エネルギーのうち太陽光発電導入量は、2019年度の55.8GWから2030年度には103.5〜117.6GWと、約2倍の市場に拡大する見込みである。再生可能エネルギー導入に対する政府の支援姿勢は継続しており、今後も再生可能エネルギー市場はより一層拡大していく見通しだ。



また、これまで太陽光発電所の開発はFIT制度に基づき開発されていたが、2022年4月にFIP制度が導入されたことにより、今後はFIP制度に基づく開発及びNon-FIT開発が中心になると見られる。これに対し、同社は各制度の特性を把握し、最適な収益体制を構築していく方針を掲げている(詳細は後述)。



2. 事業概要

同社は再生可能エネルギーの開発(発電)事業者として、開発/技術、金融、発電/運営まで、再生可能エネルギーに関する事業全般を一気通貫で提供している。再生可能エネルギー事業の単一セグメントであるが、「開発」「EPC」「資金調達・案件売却」「AM」「O&M」「発電」からなる。



(1) 開発

同社の地域拠点を活用し、地域に根ざした情報収集力を発揮して開発案件の情報を収集している。具体的には地権者、地方公共団体、金融機関や機関投資家等から再生可能エネルギー発電所候補地に関する情報を得たのち、土地の広さや形状、日射量等様々なデータを確認し、再生可能エネルギー発電所としての適正や電力会社への効率的な接続の可能性を検証している。



DDでは様々なデータに基づき、具体的な収益予想、開発コストの最適化、投資シミュレーション等、候補地に再生可能エネルギーを建設した場合の事業性の分析を行っている。さらに実地調査を行い、開発を妨げる様々なリスクを検証する。なお、DDはすべて内製化されており、開発時に懸念されるリスクに対し、社内の各チームがチェックしていることに特長がある。この結果、リスクが最小化され開発力が高まっている。



事業性に適うと判断されたプロジェクトについては、事業計画策定、許認可取得とともに、地域と円滑なコミュニケーションを取れるような体制を構築している。なお、2021年12月31日現在の開発案件/取得の実績は147件・設備容量は合計773.9MW(売却済み発電所を含む)となる。



(2) EPC

同社は、再生可能エネルギー発電設備の設計、部材の調達、協力企業の選定・調整、建設期間中の進捗・品質管理を独自に行っている。特定建設業の許可を取得しており、EPCの実績及びノウハウは豊富で、2021年12月31日現在の設備容量は合計45.4MWとなる。



(3) 資金調達・案件売却

同社は、開発した発電所または取得した発電所の一部を、上場インフラファンドや私募ファンドに売却することで売却収益を得ている。また、同社は第二種金融商品取引業及び投資助言・代理業の登録を受けており、自己資金や借入れのみならず、私募ファンドの組成等を含む多様な手法による資金調達・案件売却を行っている。資金調達としては、従来型のプロジェクトファイナンス(ノンリコースローン)やメザニンファイナンスに加え、再生可能エネルギープロジェクトボンドを発行し、開発資金を調達している。



(4) AM

SPC※が保有する再生可能エネルギー発電所の管理運営、終始管理、レポート作成、その他事務手続き等のAM業務を行っているほか、同社が組成した私募ファンド及び上場インフラファンドのAM業務を受託している。2021年12月31日現在のAM業務の受託発電所件数は133件・設備容量は合計721.0MWとなる。



※Special Purpuse Companyの略で特別目的会社のこと。企業が不動産など特定の資産を当該企業の信用リスクから切り離し、その特定の資産やプロジェクトのためだけに作られる会社。





(5) O&M

再生可能エネルギー発電所を開発した地域やO&Mを請負った発電所がある地域に地域拠点を設置し、地元出身の社員が常駐することで、運転開始した発電所の管理運営等のO&M業務を行っている。具体的には、遠隔監視を通じた発電所運転状況の確認、現地の巡視点検、稼働実績の報告、除草・除雪対応、周辺住民の窓口業務、主任技術者による保安管理、保安規定に定める年次点検・申請・報告など多岐にわたる。2021年12月31日現在のO&M業務の受託発電所件数は182件・設備容量は合計986.5MW、うち同社以外からの設備容量は合計391.1MWとなる。



(6) 発電

再生可能エネルギー発電所が売電した電力を、主にFIT制度に基づき一般送配電事業者等へ売電しており、安定した収益となっている。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)