■今後の見通し



1. 2022年12月期業績の見通し

RS Technologies<3445>の2022年12月期の連結業績は、売上高で前期比8.0%増の37,400百万円、営業利益で同10.6%増の7,600百万円、経常利益で同0.8%増の8,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同45.3%増の4,800百万円を計画している。3事業ともに増収増益が続く見通しとなっている。経常利益の増益幅が小幅にとどまっているのは、補助金収入の減少を見込んでいるためだ。2021年12月期の補助金収入1,836百万円のなかに含まれていた工場移転費用相当分が減少要因となる。一方で、特別損失として計上していた株式報酬費用1,404百万円がなくなるため、親会社株主に帰属する当期純利益の増益率は大きくなる。



年明け以降、3月中旬までの受注状況については3事業揃って好調で、フル稼働の状況が続いているようだ。期初計画では中国子会社の業績について2021年12月期第4四半期に大きく伸長した反動などを考慮して保守的に見ていた。今後のウクライナ情勢や中国でのコロナ禍の状況によっては、一時的にマイナスの影響を受ける可能性もあるが、工場の稼働状況に影響が出なければ為替レートが前提よりも円安に進んでいることもあり、業績の上振れ余地は十分にあると弊社では見ている。為替前提レートについては110円/USD、17円/RMB、3.8円/NTDとなっており、1円/USDの円安は営業利益で年間20〜30百万円の増益要因となる。



会社別の業績計画について見ると、同社単体業績は売上高で前期比3.2%増の13,500百万円、営業利益で同1.6%増の2,900百万円となる見通し。国内の12インチ再生ウェーハの月産産能力は2021年末の28万枚から30万枚と2万枚増強する計画となっており、半導体市場が今後調整局面に入るようなことがなければ増収が続くものと予想される。一方、利益率は減価償却費の増加などもあり、前期から若干低下する見込みとなっている。半導体関連装置の仕入販売については、前期比横ばい水準で見ている。



台湾子会社は売上高で前期比9.3%増の6,600百万円、営業利益で同25.5%増の2,000百万円となる見通し。TSMCやMicron Technologyの子会社を中心に12インチ再生ウェーハの需要が旺盛で、月産能力を2021年末の18万枚から19万枚に増強する。増収効果や生産性向上により、前期に低下した利益率も上昇に転じる見通しだ。



中国子会社は売上高で前期比10.8%増の16,300百万円、営業利益で同8.0%増の2,600百万円となる見通し。2021年12月期第4四半期の売上高が4,903百万円、営業利益が1,017百万円だったこと、今後8インチプライムウェーハの製品認定により販売数量の増加が見込まれることなどを考えると保守的な印象が強い。また、8インチウェーハについては競合が多く値上げできる環境ではないものの、競合の少ない6インチウェーハについては値上げする可能性もある。値上げは計画には織り込んでいないため上振れ要因となる。



半導体製造装置用消耗部材を手掛けるDG Technologiesについては、新工場の生産能力が拡大することから売上高で前期比20〜30%増、営業利益率では前期の1ケタ台前半から1ケタ台後半に上昇する見込みとなっている。まだ全体の業績に与えるインパクトは軽微だが、2023年12月期には新工場での能力増強効果がフルに寄与することから収益の成長スピードも加速していくものと予想される。



なお、持分法適用関連会社のSGRSに関しては、12インチ再生ウェーハの生産ラインを2022年12月期第1四半期より徐々に立ち上げており、第2四半期から中国半導体メーカー向けに出荷を開始し、月産能力は第4四半期に5万枚となる見通しだ。従来は国内、台湾工場から中国に出荷していたが、これらをSGRSで担当することになり、国内及び台湾工場は中国以外の需要に対応していくことになる。一方、12インチプライムウェーハの開発状況については、既にモニター用の品質をクリアしており、今後は中国半導体メーカーのボリュームゾーンである回路線幅28〜40nm向けの製造品質をクリアして、2023年以降の量産開始を目指していく。なお、SGRSの生産する12インチ再生ウェーハやプライムウェーハについては連結売上高には組み込まれず、SGRSの純利益の約9%が持分法投資損益に反映されることになる。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)