■クリーク・アンド・リバー社<4763>の業績見通し



2. 事業セグメント別見通し

(1) クリエイティブ分野(日本)

クリエイティブ分野(日本)の売上高は前期比4.2%増の30,730百万円、営業利益は同16.0%増の2,875百万円となる見通し、旧会計基準ベースの売上高は32,930百万円、伸び率は11.7%増となる。引き続きゲーム、Web、電子書籍分野がけん引するほか、映像(テレビ、映画)分野もオリンピック開催によるマイナス影響がなくなることで堅調な推移が見込まれる。また、新規エージェンシー事業も建築分野やXR分野を中心に成長が期待される。



電子書籍分野については、分業体制でコミックを制作する「漫画LABO」のさらなる成長が見込まれる。ヒット作品の増加に加えて、複数作品で紙書籍化も決定するなどコンテンツの価値も上昇している。建築分野では、VR建築展示場「XR EXPO(R)」のWebサイトに掲載するモデル住宅の棟数を現在の20〜30棟から2022年夏頃までに60〜80棟に拡充するほか、同年12月には機能を拡充してリニューアルオープンし、その後はメタバース化していくことも検討している。プラットフォーム開発費用や集客のための広告費は中小企業庁の補助金を活用する。当面の業績への影響は軽微だが、建築家や工務店と注文住宅購入者をつなぐ新たなビジネスツールとして、将来的に収益貢献が期待される。



(2) クリエイティブ分野(韓国)

クリエイティブ分野(韓国)の売上高は前期比0.9%増の3,500百万円、営業利益は10百万円と若干の黒字を見込む。韓国経済の低迷によりテレビ局向けエージェンシー事業は伸び悩む可能性があるものの、デジタルコミックやYouTube関連ビジネスなどの成長でカバーする。



(3) 医療分野

医療分野の売上高は前期比12.3%増の4,950百万円、営業利益は同10.5%増の960百万円となる見通し。医師紹介事業の成長が続くほか、イベント事業も「レジナビFair」の再開により増収増益が見込まれる。医師紹介事業では、新型コロナワクチン接種関連の紹介案件が減少する可能性もあるが、逆にその他のスポット紹介案件の増加が見込めるため、全体の業績に与える影響は軽微となる。利益率の低下は、イベント事業の回復に伴う売上構成比の変化と、新規事業への先行投資が要因と見られる。



(4) 会計・法曹分野

会計・法曹分野の売上高は前期比9.5%増の2,320百万円、営業利益は同17.8%増の140百万円を見込む。2022年2月期下期以降増収増益基調に転じており、その流れが2023年2月期も続く。新たな取り組みとしては、事業承継やM&A関連のサービスをグループ内のリソース(CXO分野)並びにコンサルティング会社とのネットワークを活用しながら立ち上げていく予定にしている。



(5) その他の事業

子会社で構成するその他の事業の売上高は前期比15.1%増の2,900百万円、営業利益は45百万円(前期は32百万円の損失)となる見通し。すべての子会社で増収、増益(損失縮小)を見込んでいる。forGIFTが2023年2月期より連結対象として加わることを考えれば、売上高は保守的な印象が強い。



注目される事業としてXR(VR/AR/MR)、AI分野が挙げられる。XR分野ではVR Japanが「医療機関向けVR遠隔同時講義システム」を全国の医科系大学や医療機器メーカー、ヘルスケア企業向けに拡販していく予定にしている。コロナ禍で営業活動が制限されていたが、2023年2月期から本格的に営業活動を開始する。一方、AI分野ではAI予測プラットフォーム「Forecasting Experience」の拡販により、Idrasysの単月ベースの損益が黒字化する見通しとなっている。また、Gruneについても足元の受注は好調で、2023年2月期は利益貢献が見込まれている。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)