ナノキャリア<4571>は12日、2022年3月期決算を発表した。売上高が前期比15.7%減の2.64億円、営業損失が20.61億円(前期は13.02億円の損失)、経常損失が19.25億円(同12.78億円の損失)、当期純損失が18.81億円(同28.35億円の損失)となったが、期初予想からの差異としては、化粧品事業における売上が増加し、売上高は15.9%増となっている。

23年3月期の取り組みとして、早期収益化に向け後期ステージ品に集中し開発を推進してきた成果が取得できる年になるとして、承認取得後を見据えた体制構築を進める。





臨床パイプラインの進捗状況について、VB-111はプラチナ製剤抵抗性再発卵巣がんを対象とした国際共同第III相臨床試験(OVAL試験)において、目標症例数を達成し、早ければ2022年後半に無増悪生存期間(PFS)の結果取得が予定されている。ENT103については、2022年4月、外耳炎及び中耳炎を対象に製造販売承認申請を行った。NC-6004は2022年4月、第IIb相臨床試験の暫定的な解析において、主要評価項目(PFS)を達成する可能性が低いと推察されたため、本治験について継続しないことをOrient Europharma Co., Ltd.と合意した。



核酸医薬の推進について、NC-6100は公益財団法人がん研究会有明病院において2020年9月より再発・進行HER2陰性乳がんを対象に医師主導第I相臨床試験を実施している。TUG1(ASO:アンチセンスオリゴ)は脳腫瘍の中でも悪性度が高い膠芽腫を対象に非臨床試験及びCMC開発を推進している。本プロジェクトは、日本医療研究開発機構(AMED)の革新的がん医療実用化研究事業に採択されている。RUNX1(mRNA)は、変形性膝関節症を対象に、薬理試験及びCMC研究を実施している。本プロジェクトは、AMEDの医療研究開発革新基盤創成事業に採択されている。



販売事業の状況について、アルビオンが販売する美容液エクラフチュール及び薬用美白美容液エクシア ブライトニング イマキュレート セラム用の同社技術を応用した原材料を供給している。共同開発製品であるスカルプトータルケア製品「Depth」事業も共同で推進している。治療法がない領域に新たな医療を届ける一環として、難治性不妊治症に対するPRP療法の普及に向け、エイオンインターナショナルから国内販売権を取得した医療機器の販売を行っている。



2023年3月期通期の業績予想については、売上高が前期比30.1%減の1.84億円、営業損失が15.40億円、経常損失が14.63億円、当期純損失が14.71億円を見込んでいる。研究開発については、VB-111やENT103の開発推進および、核酸医薬のステージアップを図る計画としているが、NC-6004/NC-6300は治験終了に向け、費用を圧縮する方針としている。