■今後の見通し



1. 2023年3月期の業績見通し

TOKAIホールディングス<3167>の2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比5.8%増の223,000百万円、営業利益で同8.2%減の14,500百万円、経常利益で同10.1%減の14,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同7.5%減の8,300百万円となる見通し。売上高は継続取引顧客件数の積み上げや法人向け情報通信事業、建築設備不動産事業の拡大、エネルギー販売価格の上昇等が増収要因となる。一方、利益面ではエネルギー事業を除くすべての事業で増益を見込むものの、仕入価格高騰の影響によりエネルギー事業の減益が足を引っ張る格好となる。継続取引顧客件数については前期末比102千件増加の3,295千件とさらなる積み上げを目指している。



(1) エネルギー事業

エネルギー事業の売上高は前期比5.2%増、営業利益は同27.0%減と増収減益を見込む。顧客件数はLPガス事業が前期末比42千件増加の757千件、都市ガス事業が同9千件増の79千件(T&Tエナジーによる増加)となり、LPガス事業の純増数は前期の34千件から拡大する計画となっている。2022年3月期はコロナ禍の影響でM&A・アライアンス交渉が長引き、顧客獲得件数が目標に届かなかったが、2023年3月期はその取り組みをより一層加速していく方針となっているためだ。



営業利益の増減要因を見ると、減益要因としては仕入価格高騰の影響で51億円、人件費・経費の増加で9億円、世帯当たり消費量の減少で5億円(年間平均気温が前期比0.2度上昇する前提)となり、増益要因として販売価格の値上げで20億円、顧客件数の増加で8億円、顧客獲得維持コストの減少で9億円等となっている。仕入価格高騰の影響額が大きいように見えるが、これは2022年3月期の家庭用LPガスの仕入価格について実勢価格よりも低い水準で予約ヘッジしていたことによる。また、仕入価格の前提については現状の価格※よりも低い水準で設定しているため、今後も価格が高止まりするようであれば仕入コストが膨らむことになるが、その部分については販売価格に転嫁していくことになる。



※2022年4月のプロパンのFOB価格(サウジアラビアから輸入業者への販売価格)は940ドル/トン。





また、販売価格の値上げ効果が20億円と小さいように見えるが、新規エリアなどでは顧客獲得のために戦略価格を設定していることが一因となっている。一方、顧客獲得維持コストが減少するのは、M&A・アライアンスによる顧客獲得を増やしていく方針となっているためだ。なお、2023年3月期も新規営業拠点として、愛知県西部エリアに1拠点開設する予定となっている。



(2) 情報通信事業

情報通信事業の売上高は前期比3.5%増、営業利益は同8.0%増を見込んでいる。このうち、コンシューマー向け事業については売上高で前期比微減、営業利益で同微増益を見込んでいる。顧客件数は従来型ISP等と光コラボの合計で前期末比横ばいの760千件、LIBMOは同14千件純増の69千件を計画している。LIBMOに関しては、価格競争力を高めた料金プランを2022年2月に導入しており、3月に2千件の新規顧客を獲得するなどその効果が出ているようで、2023年3月期通期でも新規顧客の獲得で26千件を見込んでいる。



一方、法人向け事業は前期比1ケタ台後半の増収増益を見込んでいる。クラウドサービスの旺盛な需要に対応していくほか、2022年3月期から開始した中国の現地日系企業向けのクラウドインテグレーション事業にも取り組んでいく計画となっている。また、システム受託開発についても豊富な受注残を背景に順調な成長が見込まれている。



(3) CATV事業

CATV事業の売上高は前期比5.6%増、営業利益は同3.2%増と堅調に推移する見通し。引き続きネットワークの光化やコンテンツの充実に取り組んでいくことで、顧客件数の積み上げを図っていく。顧客件数は放送サービス、通信サービスの合計で前期末比42千件増加の1,273千件を計画している。



(4) 建築設備不動産事業、アクア事業、その他

建築設備不動産事業の売上高は前期比13.4%増、営業利益は同3.2%増と増収増益を見込む。売上高についてはM&Aで子会社化した各社で顧客情報の共有化や相互送客に取り組み、シナジーを高めていくことで2ケタ成長を目指す。一方、利益面では2022年3月期に日産工業の業績が好調だった反動もあって伸び率はやや鈍化すると見ている。



アクア事業の売上高は前期比0.9%増、営業利益は同83.1%増と4期ぶりの増益に転じる見通し。顧客件数は前期末比1.5千件増加の167千件と微増にとどめ、商業施設での対面営業だけでなく、テレマーケティングやWeb等の非対面型営業も展開していくことで1件当たりの顧客獲得コストを引き下げ、収益性の改善を図っていく。



その他については売上高で前期比7.9%増と増収基調が続く見通し。介護サービスや造船事業は横ばい圏となるものの、婚礼催事事業の増収を見込んでいる。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)