■要約



ティア<2485>は、葬儀会館「ティア」を中部、関西、首都圏で展開しており、2022年3月末の店舗数は137店舗(直営会館71店舗、葬儀相談サロン10店舗、FC(フランチャイズ)56店舗)となっている。「葬儀価格の完全開示」「適正な葬儀費用」を業界に先駆けて提唱し、「日本で一番『ありがとう』と言われる葬儀社」をスローガンに、「徹底した人財教育によるサービスの向上」を実践することで1997年の設立以来、成長を続けてきた。取扱葬儀件数の市場シェアは全国で1%超だが、名古屋市内に限って見ると26.9%とトップシェアとなり、年々シェアを拡大している。2022年4月の東京証券取引市場再編により、スタンダード市場に移行している。



1. 2022年9月期第2四半期累計の業績概要

2022年9月期第2四半期累計(2021年10月-2022年3月)の連結業績は、売上高で前年同期比8.0%増の6,896百万円、経常利益で同21.3%増の877百万円と期初会社計画(売上高6,540百万円、経常利益470百万円)を上回る増収増益となった。第2四半期に国内の新型コロナウイルス感染者数が過去最多を更新した影響で葬儀単価が想定以上に下落したものの、直営店の葬儀件数が前年同期比12.2%増と計画を上回ったことや、人件費、広告宣伝費が予算を下回ったことが上振れ要因となった。直営店の葬儀単価は同3.1%減であった。なお、第2四半期累計期間における新規出店は直営で5店(うち1店はFCからの切り替え)、FCで2店の合計7店となり、第2四半期末の店舗数は前年同期比8店舗増の137店となった。



2. 2022年9月期の業績見通し

2022年9月期の連結業績は、売上高で前期比7.1%増の13,070百万円、経常利益で同9.4%増の960百万円と期初計画(売上高12,720百万円、経常利益720百万円)から上方修正した。売上高については第2四半期までの上振れ分を加味し、下期については葬儀件数、葬儀単価ともに期初計画を据え置いた格好となっている。葬儀単価については今後のコロナ禍の状況次第ではあるものの、やや下振れする可能性がある。一方で、葬儀件数については下期も計画を上回るペースで推移することが見込まれるため、通期についても売上高の上振れ余地があると弊社では見ている。一方、営業利益については第2四半期累計で期初計画を408百万円上振れたのに対して、通期の修正幅は245百万円と縮小する見通しとなっている。これは下期に追加補正予算として広告宣伝費や支払手数料、DX関連費用等を合わせて165百万円を積み増すことが要因となっている。ただ、人件費については毎期、保守的に予算を組んでいることもあり、利益ベースでも上振れ余地があると弊社では見ている。売上高の前提となる既存店の葬儀件数は前期比4.0%増、葬儀単価は同0.9%減としている。また、下期の新規出店は直営で2店、FCで5店を予定している。直営店については物件も確保済みで予定通り出店できる見通しだ。FCについては1店しか確定しておらず、未達となる可能性があるものの業績への影響は軽微と見られる。



3. 中期経営計画と重点施策

3ヶ年の中期経営計画(2022年9月期〜2024年9月期)では、3年目となる2024年9月期に売上高で14,720百万円、経常利益で1,020百万円を目標に掲げている。重点戦略として、「直営・FC会館の計画的な出店と既存会館の持続的な成長」「中核エリアのシェア向上にこだわった営業促進の実施とマーケティング力の向上」「葬儀付帯業務の内製化拡大と、行動力と分析能力を高めたM&A」「計画に則した人財確保・育成と次世代基幹システムの構築」に取り組んでいく。直営店の出店については2023年9月期も6店舗は目途がついているもようだ。同社サービスに対する顧客の満足度は高く、人財の確保・育成が順調に進めば出店拡大により葬儀件数はさらに拡大していくものと予想される。名古屋を中心とした中核エリアでのシェア拡大に加え、関西や関東でも年間1店舗ペースでドミナント出店を進めていく計画となっている。M&Aについても積極的に取り組んでいく方針であり、今後も持続的な収益成長が期待される。



■Key Points

・2022年9月期第2四半期累計業績は葬儀単価の下落を件数増加で吸収し、期初計画を上回る増収増益に

・2022年9月期業績予想を上方修正するも、なお上振れ余地あり

・コロナ禍が落ち着けば2023年9月期以降も中期経営計画を上回るペースで成長する可能性



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)