■ティア<2485>の業績動向



2. 事業セグメント別動向

(1) 葬祭事業

葬祭事業の売上高は前年同期比8.1%増の6,688百万円、営業利益は同16.8%増の1,330百万円と3期ぶりの増収増益に転じ、売上高は過去最高を更新した。葬儀件数が同12.2%増の7,365件と好調に推移し、葬儀単価の低下を吸収した。地域別の葬儀件数の伸びを見ると、名古屋市内が4.9%増、愛知県(名古屋市除く)が22.8%増、関西が1.6%増、関東が24.1%増(うち、サロン13.4%増)となり、愛知県と関東で大きく伸長した。愛知県については前期から新規出店を積極的に進めている効果が大きい。また、関東については埼玉県の2店舗が好調だったほか、都内のサロンについても地道なイベント活動が奏功して件数を伸ばしている。なお、名古屋市内での斎場シェアは26.9%と上昇傾向が続いており、前期からのトップシェアを維持している。



葬儀単価については前年同期比3.1%低下の817千円となった。低下要因の内訳を見ると、葬儀付帯品は0.3%減と概ね横ばい水準だったものの、祭壇が1.8%減、供花・供物が1.0%減となった。祭壇単価の低下については、100万円以上の高額プランの比率が前年同期の26.3%から22.4%に低下したことに加え、「祭壇無し」プランの比率が同22.3%から23.2%に上昇したことが要因となっている。特に「祭壇無し」プランについてはまん延防止等重点措置が実施された第2四半期に大きく上昇し、葬儀単価の下落要因となっている。



実際、四半期ベースの葬儀単価の推移を見ると、第1四半期は859千円と計画の843千円を上回っていたのに対し、第2四半期は781千円まで落ち込んだ。この間の葬儀件数の伸び率を見ると第1四半期の前年同期比5.9%増から、第2四半期は同18.2%増と大きく伸長しており、まん延防止等重点措置が実施されるなかで、「新型コロナウイルス対応プラン」等の葬儀単価の低い「祭壇無し」プランが増加したものと推察される。なお、会員以外のフリー客の葬儀件数の比率も前年同期の3.7%から3.9%と若干上昇しており、コロナ禍で感染対策を徹底しながらも品質の高い葬儀を行う同社への支持が高まったと見ることもできる。



(2) FC事業

FC事業の売上高は前年同期比3.8%増の207百万円、営業利益は同5.1%増の33百万円となった。FC会館が前年同期末比2店舗増加の56店舗となり、葬儀件数も同12.1%増の3,113件と好調に推移した。これらにより、会館向け物品売上が増加したほか収益認識会計基準等の適用※により加盟料売上が増加した。利益面では、人件費が増加したものの増収効果により増益となった。



※従来、契約開始時に一括して収益認識していたが、履行義務の充足に係る合理的な期間を見積もり、当該進捗度に基づき収益を一定期間にわたり認識する方法に変更した。







自己資本比率は収益認識会計基準等の適用により50%台に低下するも、財務の健全性は維持

3. 財務状況と経営指標

2022年9月期第2四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比255百万円増加の13,795百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金が114百万円増加し、固定資産では新規出店に伴い有形固定資産が174百万円増加した。



一方、負債合計は前期末比1,535百万円増加の6,051百万円となった。有利子負債が67百万円減少したものの、収益認識会計基準等の適用に伴う契約負債1,710百万円の計上が増加要因となった。主に「ティアの会」会員入会時における入会金について従来は、入金時に一括して収益認識していたものを、サービスが提供(葬儀施行)された際に収益認識する方法に変更した。



純資産は前期末比1,279百万円減少の7,743百万円となった。親会社株主に帰属する四半期純利益586百万円を計上したものの、剰余金の配当224百万円に加えて収益認識会計基準等の適用に伴い期首に利益剰余金を1,642百万円減算したことが減少要因となった。



経営指標を見ると、自己資本比率は前期末の66.6%から56.1%に低下したが、収益認識会計基準等の適用による利益剰余金の減少が主因であり、実質的な財務内容について大きな変化はなく、現金及び預金から有利子負債を差し引いたネットキャッシュも前期末比で180百万円増加しており、財務の健全性は維持しているものと考えられる。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)