■中期経営計画



1.中期経営計画の目標

2020年5月に就任した野田社長の下で発表した「中期経営計画2022」(2021年2月期ー2023年2月期)の概要は、以下のとおりである。



ベルシステム24ホールディングス<6183>は、中期経営計画期間の3年間において激変する環境を成長機会と捉えている。社会の状況変化については、パンデミック、気候変動、サイバーセキュリティなどの複合リスク、人々の価値観と行動の変化(対面から非対面へ)、テクノロジーの加速的な進歩による労働環境の変化などを予想する。そして、社会で予測される市場変化として、非対面への移行やBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)対策によるコンタクトセンター需要の増加、顧客接点変化や早期リスク発見など音声データの重要性の高まり、データ活用によるマーケティングが企業競争力に直結することなどを想定する。そうした環境変化のなかで、同社に求められる課題として、オペレーションから新技術まで多様な人材の活躍とBCPを念頭に置いた在宅コンタクトセンターの強化、多元的なデータ分析を実現するための音声・CRM基盤の整備、DXを加速・最大化させるために優良パートナー企業との協業強化が必要であると見ている。



同社では、年間3,000の業務フロー、5億件を超す応対実績と知見を生かしたコンサルティング力によって、パートナー企業とともにサービスの付加価値・品質向上を提供し、さらに新領域での事業連携を創出することが、成長につながると考えている。そこで、中期経営計画では、1)「社員3万人の戦力最大化」、2)「音声データ活用によるDX推進」、3)「信頼と共創のパートナー成長」の3つを重点施策と定め、その実現のために今後3年間で合計100億円以上の追加投資を行う。その結果、計画最終年度の2023年2月期には、売上収益1,480億円(年平均5.3%増)、営業利益140億円(売上収益営業利益率9.5%)、税引後利益90億円(年平均8.7%増)、ROE14.8%、ネットD/Eレシオ0.91倍の達成を定量目標として目指す。今後の社会・経済環境の変化を前提とした上での、意欲的な目標設定と言える。コロナ禍という厳しい経済環境のなかでも増収増益を続け、最終年度の中期経営計画達成に向けて順調に進捗していると評価できるだろう。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)