■業績動向



1. 2022年3月期の業績概要

三井松島ホールディングス<1518>の2022年3月期の連結業績は、売上高で前期比18.8%減の46,592百万円、営業利益で同332.3%増の8,417百万円、経常利益で同184.6%増の8,595百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で5,396百万円(前期は3,035百万円の損失)となった。電子部品分野の受注増加やシステックキョーワの子会社化などが寄与し、生活関連事業が増収となったものの、2022年3月期から適用している「収益認識に関する会計基準」等の影響により、減収となった。なお、当該基準等の適用により、石炭販売分野の代理人取引については売上高及び売上原価がそれぞれ38,944百万円減少した。利益面では、生活関連事業の増収に加え、石炭生産分野における石炭価格の上昇や決算為替レート(A$/円)の円安などにより大幅な増益となり、過去最高を更新した。



セグメント別の業績は以下のとおり。



(1) 生活関連事業

売上高は前期比16.9%増の26,972百万円、セグメント利益は同88.2%増の2,959百万円となった。電子部品分野では、世界的な半導体不足や米中貿易摩擦などの影響により、電子部品メーカーからの設備受注が増加した。この結果、三生電子の売上高は同72.7%増の76億円、EBITDAは同100%増の10億円と好調に推移した。また、住宅関連部材分野のシステックキョーワの子会社化(2021年2月)も通期で寄与した。



(2) エネルギー事業

売上高は前期比44.6%減の18,282百万円、セグメント利益は同292.8%増の6,333百万円となった。このうち、石炭生産分野は石炭価格の上昇※及び決算為替レート(A$/円)の円安により、増収増益となった。一方、石炭販売分野は「収益認識に関する会計基準」等の影響により減収となったものの、手数料収入の増加により増益となった。



※2022年3月期の石炭平均価格 一般炭は前期比44.9米ドル増の116.7米ドルに上昇した。





(3) その他の事業

不動産事業及び港湾事業等を含んでおり、売上高は前期比6.0%増の1,421百万円、セグメント利益は同18.2%増の171百万円となった。





自己資本比率の上昇や流動比率・固定比率の改善などが進み、財務健全性に問題なし

2. 財務状況と経営指標

2022年3月期末の資産合計は前期末比2,780百万円減少し67,837百万円となった。このうち流動資産は現金及び預金の減少2,291百万円などにより、1,893百万円減少した。固定資産は有形固定資産の減少411百万円などにより、886百万円減少した。負債合計は同8,030百万円減少し、32,300百万円となった。このうち、流動負債は短期借入金の減少7,255百万円、長期借入金(1年以内)の減少1,183百万円などにより、6,105百万円減少した。固定負債は長期借入金の減少2,295百万円などにより、1,925百万円減少した。純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などによる株主資本の増加4,759百万円などで、同5,250百万円増加し35,537百万円となった。



利益剰余金の増加4,754百万円や長短借入金の減少などにより、自己資本比率は52.2%(前期末は42.8%)となり、財務安定性が向上した。流動比率は200.6%(同160.0%)、固定比率は81.5%(同98.5%)に改善し、手元流動性にも問題はない。



2022年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払2,096百万円、売上債権の増加1,229百万円などがあったものの、税金等調整前当期純利益8,106百万円、減価償却費942百万円などにより、8,911百万円の収入となった。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出1,402百万円があったものの、定期預金の減少2,613百万円、有形及び無形固定資産の売却による収入1,808百万円などにより2,569百万円の収入となった。財務活動によるキャッシュ・フローは、長短期借入金の返済10,893百万円、配当金の支払652百万円などにより11,749百万円の支出となった。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は19,413百万円となった。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)