■要約



日本コンピュータ・ダイナミクス<4783>は、50年以上の歴史を持つ独立系システム・インテグレータのパイオニアで、トータル・ソリューション・プロバイダーとしての成長戦略を推進している。そして2022年4月には、さらなる成長に向けて、「私たち一人ひとりが未来に胸をときめかせ、誰もが活き活きと輝ける社会をつくる」という思いを込めたグループのパーパス「人の鼓動、もっと社会へ。」を策定するとともに、経営理念を一部改定して「ユニークな技術とサービスにより、明るい未来に貢献する。」とした。



1. トータルソリューションとストック売上による安定収益構造が特徴

IT関連のシステム開発事業(システム・インテグレーション)、サポート&サービス事業(サービス・インテグレーション)、及びITソリューションのノウハウを活用した無人駐輪場関連のパーキングシステム事業(パーキング・ソリューション)を展開し、経営の3本柱としている。50年以上にわたる豊富な実績で培った高技術・高品質サービス、ワンストップでサービスを提供するトータルソリューションを強みとしている。さらに、IT関連事業は大手優良企業との強固な顧客基盤と長期継続取引が特徴で、約8割にも上るストック売上比率によって安定収益構造となっている。



2. 2022年3月期は大幅増収増益で着地

2022年3月期の連結業績は、売上高が2021年3月期比17.0%増の20,550百万円、営業利益が272.3%増の902百万円、経常利益が146.1%増の956百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が214.7%増の458百万円で、大幅増収増益となった。IT関連事業(システム開発事業、サポート&サービス事業)が引き続き好調に推移した。システム開発事業では案件獲得が順調に推移し、サポート&サービス事業では前期に受託した情報システム部門業務アウトソーシング案件の稼働が本格化した。パーキングシステム事業は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が継続したが、2021年3月期との比較では影響が和らいで回復基調となった。この結果、営業利益はV字回復の形となった。



3. 2023年3月期増収・2桁営業増益予想、さらに上振れの可能性

2023年3月期の連結業績予想は、売上高が2022年3月期比2.2%増の21,000百万円、営業利益が10.8%増の1,000百万円、経常利益が7.6%増の1,030百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が30.9%増の600百万円としている。IT関連事業の売上高計画は2.3%増の14,800百万円としている。顧客企業におけるDX投資拡大も背景として順調に伸長する見込みだ。パーキングシステム事業の売上高計画は2.1%増の6,200百万円としている。コロナ禍の影響が和らいで緩やかな回復が続く見込みとしている。コスト面では人的資本やDX推進に伴う戦略的投資を拡大するが、増収効果や生産性向上効果などで吸収して2桁営業増益予想としている。親会社株主に帰属する当期純利益は減損損失計上が一巡して大幅増益予想としている。全体としては保守的な印象が強く、弊社では会社予想に上振れの可能性があると評価している。



4. パーパスを策定して新たな成長ステージへ

現・中期経営計画の最終年度2023年3月期目標値に対しては、売上高は1期前倒しで達成したが、営業利益が未達となる見込みだ。IT関連事業は順調に伸長したが、パーキングシステム事業がコロナ禍の影響を大きく受けたことが主因である。下條治(しもじょうおさむ)代表取締役社長は「パーキングシステム事業の事業環境がコロナ禍で大きく変化したが、IT関連事業は順調に収益力が向上している。次期中期経営計画では、成長に向けた基本方針に大きな変化はないが、パーキングシステム事業の事業環境がコロナ禍前の水準に戻らないことも想定しBPRを推進するとともに、サステナビリティ経営を意識しながら変革や新分野へのチャレンジをさらに加速させたい」と熱く語っている。弊社では、IT関連事業が引き続き牽引するだけでなく、パーパス策定や積極的な事業展開によって、同社が新たな成長ステージに入る可能性があると評価している。



■Key Points

・トータル・ソリューション・プロバイダーとしての成長戦略を推進

・2023年3月期は増収・2桁営業増益予想、さらに上振れの可能性

・パーパスを策定して新たな成長ステージへ



(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)