■日本コンピュータ・ダイナミクス<4783>の成長戦略



1. さらなる成長に向けてパーパスを策定

トータル・ソリューション・プロバイダーとしての成長戦略を推進している。そして2022年4月には、さらなる成長に向けて、「私たち一人ひとりが未来に胸をときめかせ、誰もが活き活きと輝ける社会をつくる」という思いを込めたグループのパーパス「人の鼓動、もっと社会へ。」を策定するとともに、経営理念を一部改定して「ユニークな技術とサービスにより、明るい未来に貢献する。」とした。



また、DXビジョン「私たちNCDグループは、お客様のビジネスの変革や社会の発展に貢献し、かつ従業員が活き活きと仕事をすることで、グループ全体の成長が持続する企業を目指します。その実現のために、グループ一人ひとり知恵を絞り、意識の変革を行い、新たな発想のデジタル技術とサービス創出に挑戦します。」を掲げ、DX推進を本格化させる方針を打ち出した。そして2022年4月にDX推進部を新設し、ロードマップを策定した。





現・中期経営計画最終年度目標は売上高が前倒し達成、営業利益が未達

2. 現・中期経営計画の進捗状況

現・中期経営計画「Vision2023」(2021年3月期-2023年3月期)の進捗状況は以下の通りである。最終年度2023年3月期の計画は売上高が21,000百万円、営業利益が1,000百万円で、当初の計画(売上高20,000百万円、営業利益1,200百万円)に対して、売上高は1期前倒しで達成したが、営業利益は未達の形となる。IT関連事業(システム開発事業、サポート&サービス事業)は順調に伸長したが、パーキングシステム事業がコロナ禍の影響を大きく受けたことが主因である。





2023年3月期は次期中期経営計画の基盤づくり

3. 2023年3月期は次期中期経営計画の基盤づくり

基本戦略に大きな変化はなく、2023年3月期は次期中期経営計画の基盤づくりの年と位置付けて、ストック(運用)とフロー(開発)の連携強化による更なる付加価値の向上を目指す方針だ。IT関連事業ではNCDサービスモデルの活用、クラウド人材の育成・拡充、グループ各社との協業体制強化など、パーキングシステム事業ではBPR(Business Process Re-engineering =ビジネスプロセス・リエンジニアリング=業務改革)施策の着実な実行による収益基盤のさらなる強化、「ECOPOOL」の戦略的拡販など、管理間接部門ではサステナビリティ経営の推進、ガバナンス態勢の高度化、人的資本経営への取り組み強化、DXの推進などに取り組む方針としている。



なお、パーキングシステム事業のBPR施策の進捗状況については、業務プロセス・要員フォーメーション再設計では、駐輪場でのチャットボットによる問い合わせサービスを2023年3月期中に導入予定としている。グループ子会社の役割強化による工事等周辺業務の内製化促進では、NCDプロスにおいて駐輪機器設置工事・周辺工事・集金業務等を開始している。利用料金体系の合理化及びキャッシュレス決済の拡大では、合理化対象駐輪場の料金改定が計画通りに進行中で、キャッシュレス決済機能の導入も新規現場を中心に進展している。デベロッパー・設計事務所など新たな販路開拓では、デベロッパーとの連携強化によって亀戸、流山、おおたかの森など再開発案件の受注が拡大している。また、2022年2月には、駐輪場における利用者サービスの一環として、駐輪場での「Amazonロッカー」のサービスを開始した。宅配便の再配達の削減につながることでCO2削減にも貢献する。





パーパス策定で新たな成長ステージへ

4. パーパス策定で新たな成長ステージへ

下條治(しもじょうおさむ)代表取締役社長は「パーキングシステム事業の事業環境がコロナ禍で大きく変化したが、IT関連事業は順調に収益力が向上している。次期中期経営計画では、成長に向けた基本方針に大きな変化はないが、パーキングシステム事業の事業環境がコロナ禍前の水準に戻らないことも想定しBPRを推進するとともに、サステナビリティ経営を意識しながら変革や新分野へのチャレンジをさらに加速させたい」と熱く語っている。弊社では、IT関連事業が引き続き牽引するだけでなく、パーパス策定や積極的な事業展開によって、新たな成長ステージに入る可能性があると評価している。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)