■要約



1. 会社概要

フェイスネットワーク<3489>は、東京都の城南3区(世田谷区、目黒区、渋谷区)を中心に、不動産投資支援事業及び不動産マネジメント事業を展開している。不動産投資支援事業では、不動産投資用の新築一棟RCマンション、中古一棟ビルリノベーション、不動産小口化商品の企画・開発・販売を行っている。また、不動産マネジメント事業では、不動産オーナー及び同社が保有する不動産の管理・運営(Property Management=プロパティ・マネジメント。以下、PM)を行っている。



土地の仕入れから設計・施工・賃貸募集・物件管理・一棟販売まですべてを一括して管理する「ワンストップサービス」を提供し、特に自社で設計・施工していることが強みとなっている。同社がメインターゲットとする城南3区において一定の知名度を得ているため、当該エリアにおける仕入用土地情報を比較的入手しやすい状況にある。さらに在庫リスクを軽減するため、土地を先行販売して設計・施工を請け負う建築商品の比率を戦略的に高めている。



2. 業績動向

2022年3月期の業績は、売上高が前期比9.3%減の17,020百万円、営業利益が同64.6%増の1,759百万円、経常利益が同68.9%増の1,511百万円、当期純利益が同76.8%増の1,034百万円となった。マーケット環境においては、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で住居用不動産の安定性が再評価されている。不動産投資に係る余剰資金が東京を中心とした優良な不動産商品への投資需要に向かい、業績は好調に推移した。加えて、営業力強化・DX推進により効率的な用地仕入を推進し利益率が改善したほか、施工能力の強化や販管費の適正なコントロールを実施した。これらの結果、営業利益は3期連続の増益となり、営業利益・経常利益・当期純利益のすべてにおいて過去最高を更新した。



2023年3月期の業績予想は、売上高で前期比23.4%増の21,000百万円、営業利益で同13.7%増の2,000百万円、経常利益で同12.4%増の1,700百万円、当期純利益で同11.2%増の1,150百万円としている。物件大型化・高付加価値化による収益性向上と、DX推進による効率性向上により増収増益を見込む。同社はDX推進及び人材採用・育成に積極的に投資していく方針で、継続的な成長投資が業績拡大のための基盤を強固にしていくと弊社では見ている。



3. 成長戦略

同社は2021年12月15日に、新市場区分の上場維持基準の適合に向けた中期経営計画の更新を発表した。前回の中期経営計画策定時からの外部環境・内部環境の変化を織り込み、より実効性の高い経営計画とするため、計画期間を1年延長し、「NEXT VISION 2025」に更新した。計画の基本方針では、「既存事業の安定的な成長による事業基盤の強化」「コーポレート・ガバナンスの強化とIRの積極的な取り組み」「DX推進により業務効率化を図り、強固な経営基盤を構築」「持続可能な社会の実現に貢献する取り組みの推進」を掲げている。また、数値計画としては、最終年度である2025年3月期に売上高28,000百万円、営業利益2,500百万円、経常利益2,100百万円、当期純利益1,400百万円を掲げている。日本の不動産投資市場、なかでも安定した収益が見込める東京のレジデンスに対する注目度は高く、賃貸用不動産への投資需要は引き続き増加基調が予想されている。また同社がメインターゲットとする城南3区は、立地面で安定的な収益が見込まれるエリアである。事業環境はおおむね良好であり、当該エリアでの競合優位性もあることに加え、新たな収益柱の育成に向けて新規領域への展開にも積極的であることから、中期成長性を評価できると弊社では見ている。



■Key Points

・東京都の城南3区を中心に不動産投資支援事業及び不動産マネジメント事業を展開

・2022年3月期の各利益は過去最高を更新。2023年3月期は増収・2ケタ増益で過去最高を更新する見込み

・中期経営計画を「NEXT VISION 2025」に更新。強固な経営基盤を構築することで、2025年3月期に売上高28,000百万円を目指す



(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)