■インタースペース<2122>の業績動向



2. 事業セグメント別の動向

(1) インターネット広告事業

インターネット広告事業の売上高(社内取引高含む)は2,222百万円、取扱高ベースで前年同期比9.5%増の11,309百万円となり、事業利益※も同61.2%増の634百万円と3期振りに増加に転じた。2020年以降、アフィリエイト広告の表現に関する規制強化の動きや、コロナ禍の影響等により取扱高の減少トレンドが続いていたが、3年ぶりに回復に転じた。利益面では、増収効果に加えて販売ミックスの改善により収益性が向上した。外資系企業の広告案件など相対的に採算の良い案件の受注を多く獲得できたようだ。



※社内共通費用配賦前の利益で、決算短信の事業セグメント利益とは異なる。





カテゴリー別の取扱高を見ると、金融・保険分野がFX口座開設案件等を中心に前年同期比5.3%増の3,405百万円と3期ぶりに増加に転じたほか、サービス分野がマッチングサービスの拡大と人材派遣及び美容・エステ関連の需要回復により同32.2%増の4,136百万円と大きく伸長した。また、エンターテイメント分野が同23.7%増の188百万円、SFAが同13.2%増の969百万円とそれぞれ伸長した。唯一、e-コマース分野については健康食品やファッション等の需要低迷により、同19.9%減の2,257百万円と縮小傾向が続いた。



ストアフロントの取扱高は前年同期比21.4%増の1,452百万円となった。携帯電話販売代理店向けの継続課金型商材であるセキュリティ商品の契約件数が順調に積み上がり、継続課金サービスの取扱高が同43.6%増の1,327百万円となり、一時課金サービスの取扱高の減少をカバーした。四半期別の売上高の推移を見ても継続課金サービスは右肩上がりに増加しており、第2四半期は前年同期比40.5%増の687百万円、全取扱高に占める比率も92%と大半を占める格好となっている。なお、(株)NTTドコモが「ドコモショップ」を2025年までに3割程度削減する方針であることが明らかとなり同事業への影響が懸念されるものの、小規模店舗や集客力の低い店舗が対象になると見られ、影響は軽微と弊社では見ている。



また、海外事業の取扱高(ベトナム関連会社含む)は、前年同期比59.2%増の1,436百万円と大きく伸長した。取扱高の約6割を占めるベトナム関連会社は、取扱商材やパートナー数の獲得が順調に進むなど好調を持続しており、持分法投資利益は前年同期の20百万円から33百万円に拡大した。一方、子会社ではインドネシアがe-コマース分野を中心に取扱高が伸長し、利益面でも若干の黒字となったが、マレーシア、タイ、シンガポールについてはやや苦戦しており、4社合計で赤字計上となっている。ベトナムの持分法利益を合計しても若干の損失になったと見られる。タイやマレーシアについては、マイクロインフルエンサーの獲得によりパートナー数は順調に増えているものの、人材が流出したことで商材の獲得が遅れており、今後の課題となっている。



(2) メディア運営事業

メディア運営事業の売上高(社内取引高含む)は前年同期比10.4%増の1,288百万円、事業利益※は同100.0%増の288百万円となった。主力の「ママスタ」では、連載漫画等を用いるなどコンテンツの充実を図ったことでPV数が増加し、広告収益が大幅に増加した。



※社内共通費用配賦前の利益で、決算短信の事業セグメント利益とは異なる。





売上高の内訳を見ると、「ママスタ」を中心としたコンテンツ型メディアは前年同期比24.0%増の765百万円となった。また、比較・検討型メディアの売上高は同4.9%減の524百万円と減少した。「塾シル」については、掲載教室数が約7,600教室と子会社化時点の約5,000教室から1.5倍に拡大したものの、送客件数が伸び悩んだ。事業利益の内訳は、既存メディアが同51.6%増の385百万円と「ママスタ」を中心に増益となり、新規事業への投資費用については同13百万円減少した。新規メディアの開発については一段落しており、当面は既存メディアの収益化に注力していく方針となっている。



運営メディアの四半期別UU数の動向を見ると、第1四半期は全体的にやや落ち込んだものの、第2四半期は前四半期比で増加に転じている。特に、「ママスタ」以外のメディアについては合計で20,332千UUと過去最高を更新している。その他メディアでは、「saita」や「4MEEE」「ヨガジャーナルオンライン」が順調に伸びている。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)