■フェローテックホールディングス<6890>の業績動向



(2) 財務状況

2022年3月期末の財務状況は、流動資産は133,414百万円(前期末比45,390百万円増)となった。主に現金及び預金の増加22,377百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加9,596百万円、たな卸資産の増加11,364百万円による。現金及び預金が増加したのは、業績が堅調であることに加え、子会社の第三者割当増資資金の滞留(投資に充当予定)にもよる。固定資産は131,358百万円(前期比41,991百万円増)となった。内訳は主に設備投資による有形固定資産の増加30,937百万円、無形固定資産の増加30百万円、そして投資その他の資産は、主に関係会社株式の増加(子会社の第三者割当増資による)12,741百万円などから11,023百万円増加した。その結果、資産合計は264,772百万円(同87,380百万円増)となった。



負債合計は103,814百万円(同4,662百万円増)となった。主に支払手形及び買掛金の増加10,501百万円、短期借入金の増加898百万円、1年内返済予定の長期借入金(社債含む)の減少3,480百万円、社債の減少2,658百万円、長期借入金の減少3,227百万円による。これにより、期末の有利子負債は37,561百万円(前期末比10,067百万円減)となった。また純資産合計は160,957百万円(同82,718百万円増)となった。主に同社や子会社の増資による資本剰余金の増加18,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加25,096百万円、円安による為替換算調整勘定の増加9,672百万円、ウエーハ子会社の非連結化による非支配株主持分の増加18,824百万円による。この結果、期末の自己資本比率は49.5%(前期末37.8%)となり、目標である40%を超えた。



(3) キャッシュ・フローの状況

2022年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは17,833百万円の収入であった。主な収入は税金等調整前当期純利益の計上33,648百万円、減価償却費8,085百万円、減損損失404百万円、仕入債務の増加6,065百万円で、主な支出は、持分変動利益9,327百万円、売上債権の増加4,258百万円、たな卸資産の増加9,126百万円による。投資活動によるキャッシュ・フローは29,399百万円の支出であった。主に有形固定資産の取得による支出33,585百万円、関係会社株式の取得による支出1,278百万円、貸付金の回収による収入5,546百万円による。財務活動によるキャッシュ・フローは30,601百万円の収入であった。主な収入は株式の発行による収入19,275百万円、非支配株主からの払込みによる収入22,701百万円で、主な支出は長短借入金の減少4,219百万円、配当金の支払額1,563百万円による。



以上から2022年3月期の現金及び現金同等物は22,376百万円増加し、期末残高は52,579百万円となった。



2. セグメント別概況

セグメント別状況を見ると、主力の半導体等装置関連は、売上高82,122百万円(前期比35.4%増)、営業利益15,886百万円(同156.9%増)、電子デバイスの売上高は27,023百万円(同56.4%増)、営業利益6,689百万円(同50.2%増)、その他は、売上高24,674百万円(同84.5%増)、営業利益315百万円(前期は321百万円の損失)となった。



主要なサブセグメントの状況は以下のとおり。



(1) 真空シール・金属加工、ウエーハ加工

半導体製造装置メーカーからの金属加工受託事業の需要が拡大、常山新工場がフル稼働し、売上高は13,732百万円(前期比56.1%増)となった。



ウエーハ加工は、2021年3月期の第4四半期から持分法適用・非連結化となったため売上高は59百万円(同98.7%減)となった。一方で、2022年3月期より再生ウエーハが立ち上がり、売上高は98百万円となった。



(2) 半導体マテリアル、洗浄事業

石英製品は、常山工場・東台工場のフル稼働が寄与し、売上高は21,217百万円(同24.0%増)となった。シリコンパーツの売上高は8,565百万円(同165.5%増)となった。銀川新工場を早急に立ち上げフル稼働した。セラミックスは、ファインセラミックス杭州工場の能力増強・フル稼働が寄与、 プローブカード向けも需要が増加した。この結果、売上高は18,816百万円(同53.4%増)となった。CVD-SiCは、中国顧客の需要が好調、岡山工場もフル稼働となり売上高は2,975百万円(同36.1%増)となった。装置部品洗浄は、中国の半導体メーカー、FPDメーカーの生産拡大に伴う需要拡大により好調に推移し、売上高は9,672百万円(同27.6%増)となった。



(3) サーモモジュール

5G通信機器向け及びPCR検査機など医療分野の伸長が著しく、売上高は17,635百万円(同35.3%増)となった。



(4) パワー半導体基板

パワーデバイス市場が拡大し、中国東台工場の産業機器・民生品向けDCB基板の生産能力増強が寄与し、売上高は8,473百万円(同142.7%増)となった。また EV向けAMB基板の顧客認定が進捗した。



3. 主な設備投資と減価償却費

2022年3月期の設備投資額は33,585百万円(前期は14,175百万円)となった。主な投資は、中国における銅陵の再生ウエーハの設備、銀川のシリコンパーツ・坩堝事業の設備、東台の石英事業の設備、東台のパワー半導体基板事業の設備、常山の金属加工等の設備であった。減価償却費は8,085百万円(同9,155百万円)となり、前期よりは若干低下した。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)