■業績動向



1. 2022年10月期第2四半期の連結業績

(1) 損益状況

泉州電業<9824>の2022年10月期第2四半期の連結業績は、売上高55,154百万円(前年同期比28.3%増)、営業利益3,536百万円(同85.6%増)、経常利益3,713百万円(同77.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,491百万円(同72.7%増)となり、売上高は上半期として過去最高を更新した。平均銅価格は、1,211千円/t(同32.6%増)であった。



増収の最大の要因は銅価格の上昇(前期比32.6%増)だが、実需も半導体製造装置向け、工作機械向けや自動車業界向けなどを中心に堅調に推移した。売上総利益率は、14.9%と前年同期(15.0%)から若干低下したが、銅価格の上昇で売上高が膨らんでいる点を考慮すれば、実質的には売上総利益率は改善したと言える。比較的利益率の高い機器用・通品用電線の売上構成比が上昇したことが主要因。その一方で販管費は、依然として営業活動等が新型コロナウイルス感染症拡大の影響から完全に回復していないこと等に加え、各種経費の削減に努めたことも前年同期比2.2%増に止まった。その結果、営業利益は前年同期比で大幅増益となった。このように上半期の業績が好調であったことから、会社は下記のように通期の予想を上方修正し、年間配当を120円(当初予定は100円)に増配することを発表した。また当第2四半期中に新たに(株)北越電研を子会社したが、連結損益計算書には第2四半期以降反映される。



(2) 財務状況

2022年10月期第2四半期末の資産合計は、前期末比6,720百万円増の90,710百万円となった。流動資産は同6,317百万円増の66,650百万円となったが、主に現金及び預金の増加1,471百万円、受取手形及び売掛金(電子記録債権を含む)の増加2,898百万円、商品の増加1,911百万円などによる。固定資産は同403百万円増の24,060百万円となったが、主に有形固定資産の増加293百万円、無形固定資産の増加(主にのれん)180百万円などによる。



負債合計は前期末比5,223百万円増の46,327百万円となった。流動負債は同4,554百万円増の42,980百万円となったが、主に支払手形及び買掛金の増加3,745百万円、短期借入金の増加325百万円、未払法人税等の増加180百万円などによる。固定負債は同668百万円増の3,346百万円となったが、主に社債の増加214百万円、長期借入金の増加238百万円などによる。純資産合計は、主に四半期純利益の計上による利益剰余金の増加1,943百万円などにより、同1,497百万円増の44,383百万円となった。



2. 2022年10月期第2四半期の商品別概況(単体ベース)

商品別の状況(単体ベース)は以下のとおりであった。



(1) 機器用・通信用電線

取扱商品の中では比較的付加価値が高く、銅価格の変動の影響が少ない商品である。売上高は17,632百万円(前年同期比31.4%増)となった。半導体製造装置関連、工作機械向けや自動車関連向けも好調に推移した。比較的利益率が高いため、利益への寄与は大きかったようだ。



(2) 電力用ケーブル

主に建設用(ビル、工場、病院及び学校等の大型施設など)に使われる電線であるが、競争も激しく利益率は低い。オリンピック関連等は既に竣工済みの一方で、住宅・建設関連で回復が見られたが、数量ベースでは微増で、銅価格の上昇により売上高は18,746百万円(同30.0%増)となった。



(3) 汎用被覆線

主に電力用より細い電線で、住宅などに用いられる。傾向は電力用ケーブルと同様で、回復傾向が見られたが、数量ベースでは微増に止まり、銅価格の上昇の影響で、売上高は5,138百万円(同23.9%増)となった。



(4) その他電線

主に中小メーカー向けの銅裸線の販売であるため、販売価格はほぼ銅価格にスライドする。末端での需要そのものは低調であったが、銅価格の上昇から、売上高は2,714百万円(同33.7%増)となった。



(5) 非電線

電線以外の商品が含まれる。各種の加工品、付属品、周辺機器などで、主要製品はソーラー関連の部品及び加工品※とワイヤーハーネス関連だが、銅価格の影響は比較的小さく相対的に利益率の高い部門である。半導体関連向けや小型コネクターが比較的堅調であった。売上高は8,048百万円(同29.6%増)となった。



※ソーラー関連は、ケーブルだけの場合は「電力用ケーブル」に、コネクター及び加工品が付いた場合は「非電線」に区分けされている。





(6) 子会社の状況

会社は「近年は連結決算において子会社の貢献度が大きくなってきている」と述べていたが、この上半期においては、子会社の寄与はやや低下したようだ。国内・海外子会社8社が黒字化(利益計上)しているとのこと。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)