■ソフト99コーポレーション<4464>の業績動向



2. 事業セグメント別動向

(1)ファインケミカル事業

ファインケミカル事業の業績は、売上高が前期比2.9%増の14,103百万円、営業利益が同1.1%減の2,211百万円となった。売上高は7期連続の増収となり、売上総利益も同2.4%増となったが、コロナ禍で絞り込んでいた販促費等の営業経費が元の水準に戻ったことや、人件費、物流費の増加が減益要因となった。



売上高の内訳を見ると、国内一般消費者向け販売(自動車分野)のうち、ボディケア製品は、加圧式噴射機を用いたカーシャンプー「パーフェクトフォーム」の販売が順調に増加したほか、2021年3月に発売したボディとガラス両方に施工可能な拭くだけWAX「フクピカGen5」の販売が好調に推移したことで、前期比4.3%増となった。ガラスケア製品は、前期に縮小していた店頭プロモーションを再開したことや、主力製品であるガラコの発売30周年記念となる限定商品「ぬりぬりガラコギガ丸」の販売が好調だったことにより、同7.5%増となった。リペア製品は、巣ごもり需要の反動減により同2.8%減となったもののコロナ禍前の水準は上回った。



業務用製品販売(自動車・産業分野)は前期比3.5%増と2期連続で増収となった。新車向けは新車販売台数減少の影響を受けたものの、中古車向けについては既存得意先で車両販売に併せたコーティングサービスの提案に取り組んだことで販売が好調に推移した。また、「G'ZOX」のブランドリニューアルの実施に併せて価格改定を実施したことも増収要因となった。また、家庭用製品販売(生活分野)は前期比4.2%減となった。前期にコロナ禍で需要が急拡大したメガネケア製品の販売が下期に入って一段落したことが要因だ。ただ、コロナ禍前の水準と比較すると高水準であることに変わりない。



海外市場向け販売(自動車分野)は前期比11.1%増と好調に推移した。地域別で見ると、中国向けは景気減速による需要の低迷とガラスケア製品の在庫調整が発生したことにより減収となった。中国を除く東アジアは増収となり、東南アジアは減収となった。欧州地域については受注が好調だったものの、コンテナ不足の影響で出荷タイミングが2023年3月期にずれ込んだことにより減収となった。一方、ロシア向けについてはメンテナンス製品の需要拡大に加えて、現地代理店が在庫積み増しのためロシアによるウクライナ侵攻前に前倒しで発注を行ったこともあり、第4四半期に販売が大きく伸長した。また、ブラジル向けは積極的なプロモーションを展開したことで順調に販売が伸長した。



TPMS(自動車分野)の売上高は前期比16.9%増となった。半導体不足がトラックの供給にも影響を与えたが、既存顧客の更新需要に加えて、新規運送会社を開拓できたことが増収要因となった。なお、売上規模を2億円台に乗せたこともあり、利益面では黒字化まであと一歩のところまできている。



電子機器・ソフトウェア開発は前期比3.3%減となった。遠隔監視システム等で使用されている3Gの無線通信サービスが2026年3月末に終了することが決まっており、3Gから4G対応の通信システムへの切り替えのための受注が好調だったものの、半導体不足により製品の出荷が遅れていることが減収要因となっている。ただ、受注残高については1年分を抱えており、部材の供給不足が解消すれば売上高も回復する見通しとなっている。



(2)ポーラスマテリアル事業

ポーラスマテリアル事業の業績は、売上高が前期比21.8%増の7,655百万円、営業利益が同54.7%増の1,105百万円と2ケタ増収増益となった。このうち、2021年3月期第3四半期から連結対象に加わったアズテックの業績が通年で寄与したことによる影響額は売上高で3.5億円程度の増収要因だったと見られ、営業利益面ではのれん償却額136百万円の計上も考慮すれば、影響はほとんどなかったと見られる。増収効果に加えてプロダクトミックスの改善により、売上総利益率が同3.1ポイント上昇したことが大幅増益の要因となった。



売上高の内訳を見ると、産業資材部門は前期比25.7%増の6,008百万円と8期連続の増収、過去最高を更新した。このうち、国内向けは同29.3%増となったが、アズテックを除く既存事業では同17%前後の増収だったと見られる。主力の半導体製造用途が好調に推移したことや、医療用途でもPCR用検査部材を中心に出荷が好調に推移した。アズテックの売上は手術室向け清掃用モップが手術件数の減少で低迷したほか、コロナ禍で新規開拓の営業活動も制限される状況であったものの、コロナ病棟向けに各種衛生用品の販売が伸長したことにより、全体では堅調に推移した。アズテックを含めた医療分野の売上高は前期の約5億円から約10億円の規模に拡大している。



一方、海外向けについても前期比22.2%増と2ケタ成長が続いた。半導体製造用精密洗浄材の販売が台湾や韓国、米国の大手半導体メーカー向けに増加したほか、電解銅箔製造装置(チタン製ドラム)用砥石の販売も増加した。従来、電解銅箔はプリント配線板用が主要市場となっていたが、EV市場の拡大を背景にリチウムイオン電池用途向けの需要が急増していることが背景にあるようだ。同領域でも同社は高シェアを握っている。



生活資材は前期比9.2%増の1,647百万円と2期連続で増収となった。国内向けについては、前期の巣ごもり需要の反動で自動車用製品の販売が通常時の水準まで戻ったほか、スポーツ用製品の需要も低調に推移し同3.5%減となった。海外向けは、主力仕向け地先である米国向けに加えて、インドネシアや韓国向けについても需要が回復し、同29.2%増と3期ぶりに増収に転じた。



(3)サービス事業

サービス事業の業績は、売上高が前期比3.0%減の5,428百万円、営業利益が同47.0%増の200百万円となった。売上高は生活用品企画販売事業がコロナ特需の反動が響き減収となったものの、売上構成比の変化による売上総利益率の上昇(同1.6ポイント上昇)や、販管費の抑制に取り組んだことが増益要因となった。



事業別の売上動向を見ると、自動車整備・鈑金事業は入庫数が下げ止まったことに加えて、1台当たり修理単価が上昇したこと、プロテクションフィルムやボディコーティングの施工・物販が好調に推移した結果、前期比5.6%増と3期ぶりの増収に転じた。自動車教習所事業は、営業日数が例年どおりとなったこと(前期はコロナ禍で1ヶ月間休業)に加えて、学生の普通免許取得ニーズが高まったこと、運送ドライバー向けの大型1種、中型1種の免許取得ニーズが高まったことなどにより、前期比9.2%増となり過去最高売上を更新した。生活用品企画販売事業については、コロナ特需の反動減と、売れ筋商品の欠品による販売機会ロスが重なったこともあり、同15.8%減収となった。ただ、コロナ禍前の売上水準は上回っている。



(4)不動産関連事業

不動産関連事業の業績は、売上高が前期比2.6%増の1,247百万円、営業利益が同106.4%増の233百万円となった。コロナ禍の影響が続くなか、温浴事業の収益が改善したほか不動産賃貸事業の増収が増益要因となった。



事業別の売上動向を見ると、温浴事業は前期比1.3%増と若干ながらも増収に転じた。コロナ禍が続くなかで飲食売上の苦戦が続いたものの、温浴施設の来客数が回復し増収要因となった(※)。また、不動産賃貸事業は保有物件の稼働率上昇により、同6.1%増となった。一方、介護予防支援事業はコロナ禍が続くなかで、利用者数が減少したことにより同8.1%減となった。



※2021年3月期は3店舗のうち1店舗で約1ヶ月間、営業自粛を行ったほか残り2店舗についてもゴールデンウィーク期間中に営業を自粛していた。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)