■業績動向



1. 2022年3月期の業績動向

ディーエムソリューションズ<6549>の2022年3月期の業績は、売上高16,682百万円(前期比14.1%増)、営業利益98百万円(同85.0%減)、経常利益101百万円(同84.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益5百万円(同98.7%減)となった。日本経済は、コロナ禍が依然として収束しないなかで、ウクライナ情勢の影響などにより、先行きの不透明な状況で推移した。このような環境下、ダイレクトマーケティングを実施する企業に対し、マーケティングの各局面において最適なソリューションを提供するなど、同社は着実に事業を進めた。また、積極的な人材採用や先行投資を行い、ダイレクトメールとインターネット両事業の営業力と提供サービスの強化に取り組んだ。なお、2022年3月期よりアパレル事業が新たにセグメントに加わっている。また、同社は2022年3月期に非連結決算から連結決算に変わったため、財務諸表では前年比を明示していないが、分かりやすくするために前年比を表示する。



売上高は前期比14.1%増と大きく伸びたが、対照的に営業利益は同85.0%の減少となった。売上高が伸びたのは、ビアトランスポーツの子会社化によって新たにアパレル事業の売上高がオンしたことが主因だが、ダイレクトメール事業が同20.1%伸び、ビアトランスポーツの連結を除いた非連結ベースの売上高でも同6.5%の増加となった。一方インターネット事業の売上高は、バーティカルメデイアサービスの不振で同46.0%減と苦戦した。営業利益は、ダイレクトメール事業とビアトランスポーツが貢献したものの、インターネット事業の減収効果が大きく、退職金やM&A費用など一時費用の発生もあって大幅な減益となった。インターネット事業の不振を、好調のダイレクトメール事業と新設されたアパレル事業でカバーできなかったという構図である。なお、親会社株主に帰属する当期純利益の減益幅が大きくなっているのは税効果が得られなかったためである。



セグメント別に見ると、ダイレクトメール事業におけるダイレクトメールサービスは、充実した営業体制やワンストップサービスなどの強みを背景に、郵便やメール便のスケールメリットを生かした提案型営業を積極的に展開した。この結果、取引社数が4,637社(前期比6.6%増)、コロナ禍からの反動増も含めて取引案件数が41,793件(同19.5%増)となるなど、引き続きシェアを伸ばした。フルフィルメントサービスでは、EC市場の拡大に伴い宅配便など小口貨物の需要が増加しているため、増床など積極投資を継続し物流拠点を拡充するとともに、サービスの提供体制を強化した。この結果、延べ床面積が20,008m2(前期比41.4%増)、顧客社数が489社(同48.2%増)、取扱い発送個数が1,216,617個(同18.2%増)となり、増床と受注の好循環サイクルが始まったといえる。このようにダイレクトメール事業は、新規顧客の開拓や既存顧客からの受注が順調であった。また仕分け機の導入など自動化も進めたため、売上高13,965百万円(同20.1%増)、セグメント利益559百万円(同36.6%増)と好調に推移した。



インターネット事業において、デジタルマーケティングサービスでは、付加価値の高い総合的な提案を行うマーケティングコンサルや、Webサイト構築などのWebコンサルティングが好調に推移し、収益への貢献も少なくなかった。一方、バーティカルメディアサービスは、検索サイトによる検索エンジンのアルゴリズム変更の影響を大きく受けた。従来同社制作のメディアサイトは、社内スタッフによる競合分析やアクセス解析など検索キーワードの研究を背景に上位表示されることが多かったが、最近は苦戦を強いられている。このため、メディアサイトへの顧客の流入が低調に推移、連結業績の足を引っ張ることとなった。同社は上場企業としてメディア事業に極めて真面目に取り組んでいるが、アフィリエイト収入の為に正確でない情報をサイトに掲載する運営者もあり、アフィリエイトメディアに対する信頼がやや低下していることも要因のようだ。この結果、インターネット事業の売上高は1,612百万円(前期比46.0%減)、セグメント利益は214百万円(同74.6%減)となった。



なお、アパレル事業に関しては、2021年4月に子会社化したビアトランスポーツの販売体制の整備充実と経営体制の強化を進める一方、ECによる販売の促進にも努めた。この結果、売上高は1,104百万円、セグメント利益は25百万円となった。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)