■業績動向



2. 事業セグメント別の動向

(1) 事務系人材サービス事業

キャリアリンク<6070>の事務系人材サービス事業の売上高は前期比45.5%増の37,124百万円、営業利益は同61.8%増の4,252百万円となった※。BPO関連事業部門では自治体及び大手BPO事業者等からの新規受注案件の獲得や新規取引先の獲得が順調に進み大幅増収となったほか、CRM関連事業部門や一般事務事業部門も受注拡大に伴い2ケタ増収となった。利益面では、派遣スタッフや中核人材の採用費、人件費の増加やITを活用したBPO運用システムの導入費用の増加があったものの、増収効果で吸収し、営業利益率も前期の10.3%から11.5%に上昇した。



※2022年3月期は13ヶ月の変則決算。前期比は2021年2月期実績との単純比較(以下、同様)。





事業部門別の動向を見ると、BPO関連事業部門の売上高は前期比57.8%増の27,150百万円となった。自治体向けの受注活動を強化するなど積極的な営業展開を進めたほか、BPOの需要拡大に対応すべくBPOセンターを3ヶ所(横浜、神戸、大阪)開設したこともあって、新規受注案件並びに新規BPO事業者との取引が拡大し、大幅増収につながった。官公庁関連ではマイナンバー・マイナポイント関連業務が引き続き増加したほか、自治体の基幹業務(窓口業務等)やスポット案件(臨時給付金等)が増加し、BPO事業者経由での売上も含めると増収要因の大半を占めた。



BPO案件の受注要因としては、同社の安定した運用力が官公庁やBPO事業者から高く評価されたことに加えて、BPO案件の設計・構築や営業開発、システム開発等を行う中核人材の採用が順調に進んだことも挙げられる。中核人材の在籍者数は2020年2月期末の119名から年間40名強のペースで増員し、2022年2月期末は204名となった。これに伴い、BPO案件数も2020年2月期の78件から2022年2月期は107件まで増加した。中核人材の採用から戦力化するまでには一定のタイムラグがあるため、2023年3月期においてもBPO案件数の積み上げが可能と同社では見ている。また、取引先自治体数についても、2021年2月期の56から2022年2月期は76と大きく増加した。同社は、20政令指定都市のうち12政令指定都市と取引実績があり、これらの実績を基に他の自治体に横展開していった。主にマイナンバー・マイナポイント関連業務や臨時給付金関連の業務が中心だが、これらの業務実績を基に基幹業務でも受注を獲得するケースも出始めている。なお、取引先自治体のリピート率も81%と高水準だ。



CRM関連事業部門の売上高は前期比21.5%増の4,210百万円と、2期ぶりに増収に転じた。テレマーケティング事業者等の既存取引先でのシェアが拡大したほか、BPO案件の受注を機にコールセンター業務などの受注も獲得できたことが増収要因となり、売上規模もコロナ禍前の水準を上回った。



一般事務事業部門の売上高は前期比18.9%増の5,762百万円と拡大基調が続いた。金融機関向け派遣案件が堅調に推移したほか、自治体からの新規派遣案件を中心に受注が好調に推移した。大半の既存取引先においてコロナ禍前の水準まで取引高が回復している。



(2) 製造系人材サービス事業

製造系人材サービス事業の売上高は前期比42.3%増の4,590百万円、営業利益は同110.8%増の156百万円となった。コロナ禍の影響はほとんどなく、営業拠点を第3四半期以降に6拠点(厚木、千葉、四日市、岡崎、神戸、福岡)開設するなど、積極的な業容拡大に取り組んだことが増収増益要因となった。新規営業拠点では既存取引先の案件を受注するとともに、新規顧客からの受注も獲得した。特に、輸送機器などを中心とした製造加工部門の受注が拡大し、売上高は食品加工部門とほぼ同水準となった。



(3) 営業系人材サービス事業

営業系人材サービス事業の売上高は前期比14.9%減の1,065百万円、営業損失は8百万円(前期は5百万円の利益)となった。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の度重なる発令に伴い、主要な営業開拓先である飲食店や小売店への営業活動を制限したことが減収要因となった。なお、第4四半期には主要顧客からの要望もあって、コンタクトセンターの移転増床を実施している。



(4) その他

その他はJBSの子会社である東京自動車管理における自動車管理事業となる。売上高は前期比13.5%増の320百万円、営業利益は同9.5%増の23百万円と堅調に推移した。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)