■業績動向



1. 2022年3月期の業績概要

アルファ<3434>の2022年3月期の連結業績は、売上高53,767百万円(前期比12.9%増)、営業利益586百万円(同32.3%減)、経常利益1,036百万円(同1.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益600百万円(同167.2%増)となった。自動車部品事業は、前期のコロナ禍による大幅減産からは持ち直したものの、半導体供給不足等による主要得意先減産、加えて原材料高騰等の影響を受け、営業損失を余儀なくされた。セキュリティ機器事業は住設機器部門が好調に推移し、ロッカーシステム部門の回復の遅れを補い同26.5%増収、同39.1%営業利益増と2ケタ増収増益となった。なお、2021年11月に公表した修正予想に対しては、為替前提が1US$=110円としていたこともあり、売上高で1,767百万円、営業利益で86百万円、経常利益で436百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で300百万円上振れて着地した。



2. 事業セグメント別動向

(1) 自動車部品事業

自動車部品事業の売上高は42,222百万円(前期比9.7%増)、営業損失285百万円(前期は424百万円の利益)となった。地域別では、日本は主要得意先での減産等により、売上高は5,615百万円(前期比3.3%増)、営業損失は225百万円(前期は220百万円の損失)となった。なお、2021年3月期はコロナ禍による操業停止に伴う固定費171百万円を特別損失として組替ており、実質は165百万円損失縮小と、営業黒字化に向け前進したと言える。北米は主要得意先減産の影響を受けたものの、VWへの納入が増えたほか、為替換算などにより売上高は10,387百万円(前期比15.0%増)と増収で着地した。一方、原材料高や物流費高騰が影響し、営業損失は124百万円(前期は258百万円の利益)となった。なお、日本同様に前期は操業停止に伴う固定費372百万円を特別損失に組替ており、実質は10百万円損失拡大にとどまった。アジアの売上高は16,323百万円(前期比10.6%増)、営業利益は247百万円(前期比57.7%減)となった。売上面では中国で減産影響を大きく受けたものの、ASEAN地区でフォード、いすゞ自動車、三菱自動車向けが売上を伸ばしたことにより、増収を確保した。一方、利益面では中国の影響を大きく受けた。なお、前期は操業停止に伴う固定費組み替えが272百万円あり、実質は同20.8%減となる。



欧州の売上高は9,897百万円(前期比6.9%増)、営業損失は183百万円(前期は198百万円の損失)となった。上期は主要得意先の減産の影響が少なかったものの、下期はその影響が強まった。利益面では、生産停止や生産調整が影響したものの、増収効果でほぼ横ばいの営業損失にとどめた。



全体を通じ、主要得意先の売上構成比が2021年3月期の47.6%から1.0ポイント低下し46.6%となり、VWグループ向けも中国、欧州での減産影響もあり2.1ポイント低下し15.6%となった。一方で、その他グループの売上比率が3.1ポイント向上し37.8%となった。特にASEAN地区での拡販に成功していることから、今後さらに同地区での販売拡大を加速する計画だ。利益面では、増収効果で約600百万円の増益効果があったものの、原材料高や固定費等の増加により約700百万円の減益となった。しかしながら、固定費組替え前では約100百万円損失改善しており、実質的には営業利益率が0.3ポイント改善、売上高営業損失比率が0.7%となったことは評価できる。



(2) セキュリティ機器事業

セキュリティ機器事業の売上高は11,543百万円(前期比26.5%増)、営業利益は1,589百万円(同39.1%増)となった。このうち日本の売上高は10,096百万円(同25.7%増)、営業利益は1,172百万円(同55.6%増)となった。住設機器部門では、コロナ禍における在宅勤務に対応できる新たな戸建て住宅や賃貸住宅へのニーズの高まりなどにより新設住宅着工件数が増加傾向にあること、電気錠の採用比率が上昇していることが寄与し、電気錠の売上高が71億円(同36%増)と好調に推移し、全体の伸びを牽引した。なお、電気錠については従来の戸建て新設向けに加え、既設向けの需要も拡大している。また、従来のYKKAP(株)向けに加え、他社への納入も増加基調にある。ロッカー事業については、コロナ禍によりインバウンド需要の低迷が続くものの、調剤薬局などでの店舗受渡しロッカーの展開などで一部補い、ボトムを脱し、増収に転じた。また、利益面では増収効果が寄与し、大幅な増益となった。海外セキュリティ機器は売上高1,447百万円(同33.0%増)、営業利益417百万円(同7.2%増)であった。ASEAN地域への成形部品が好調に推移したことが寄与し、増収となった。なお、海外セキュリティ機器の売上の3/4は日本へのセキュリティ機器の内部供給売上であり、内部取引売上高は4,045百万円(同16.9%増)となる。セキュリティ機器事業全体の利益変化としては、売上増による増益(約600百万円)が原材料費高や物流費高騰などの負担増を補い、前期並みの利益率を維持した。



3. 財務状況

2022年3月期の資産合計は前期比442百万円増の56,183百万円となった。流動資産は同1,818百万円増の30,527百万円となった。主な要因は、棚卸資産及び原材料の増加1,277百万円などによる。固定資産は同1,372百万円減の25,649百万円となった。主な要因は、投資有価証券の減少822百万円などによる。流動負債は同315百万円増の17,236百万円、固定負債は同1,195百万円減の11,022百万円となった。主な要因は、長期借入金が203百万円、社債が295百万円、リース債務が452百万円減少したことなどによる。純資産合計は同1,322百万円増の27,924百万円となった結果、自己資本比率は前期末の45.7%から同1.9ポイント改善し47.6%となった。



連結キャッシュ・フローについては、外部購入原材料や部品在庫増、さらにはセキュリティ機器の売上増に伴う売掛金増加などにより、営業活動によるキャッシュ・フローが1,874百万円の収入となった。フリーキャッシュ・フローも224百万円に縮小しており、経営環境の悪化を反映した状況となっている。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)