■今後の見通し



翻訳センター<2483>の2023年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比7.3%増の11,100百万円、営業利益が同12.1%増の910百万円、経常利益が同9.3%増の920百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.1%増の620百万円とコロナ禍前の水準を超え、営業・経常利益で過去最高益を予想する。



翻訳事業の売上高は前期比で672百万円増(前期比8.6%増)と増収を見込む。新中期経営計画の基本方針・重点施策の下、各種業界ごとに求められる専門性の確保に加え、新たにドキュメント別の専門性の追求も推し進め、顧客シェアの拡大を図る。内訳としては、2022年3月期に最も伸びた特許分野が2023年3月期にも同223百万円増(同9.7%増)と伸び、経済情勢の影響を受けにくい医薬分野も同196百万円増(同6.7%増)となり、コロナ禍の影響から回復した工業・ローカライゼーション分野は同191百万円増(同9.5%増)と続く。金融・法務分野は同59百万円増(同10.3%増)ではあるが、伸び率では最も高い分野である。



派遣事業は前期比で57百万円増(前期比4.8%増)と堅調に推移する見込みである。通訳者・翻訳者の確保を最優先に、新型コロナ禍の影響に伴うテレワークの定着化を背景とした顧客企業の需要の変化に対応しつつ、製薬企業、情報通信関連企業、金融関連企業等での業績拡大を目指す。通訳事業は引き続き業績が回復傾向であり、同64百万円増(同9.9%増)。コンベンション事業はコロナ禍の影響が残り同40百万円減(同18.5%減)を予想する。通訳事業・コンベンション事業は、ともにオンライン通訳やオンライン会議運営支援などデジタルを活用したサービス提供を中心に展開していく。2022年6月初旬時点では、インバウンドの本格的な規制緩和が計画されており、特に厳しい事業環境が予想される通訳・コンベンション業界においても好転の兆しも見えてきた。ちなみに、同社に関連するインバウンド事例として、製造業における国際的基準の監査業務や国際会議などにおける翻訳・通訳・コンベンションサービスの利用などがある。



営業利益は前期比98百万円増(前期比12.1%増)と過去最高益を予想する。翻訳事業においては、引き続き機械翻訳や翻訳支援ツールなど最先端技術の積極的な活用を推進し、生産性を上げていくものの、改善効果を価格低減に反映させる戦略もあるため、原価率はほぼ変わらない予想である。売上総利益率は47.7%(同0.3pt増)を見込む。2023年3月期上期の営業利益予想は340百万円、下期は570百万円となっており、例年どおり季節性が見られる。従来より同社の業績予想の精度には定評があり、弊社では2023年3月期も売上高・各利益ともに予想値を達成するものと見ている。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)