■要約



1. ホテル運営事業の低迷を多角化でカバー、収益を維持

リソルホールディングス<5261>は、施設運営と再生ビジネスという2つの事業領域を持ち、ホテル運営事業、ゴルフ運営事業、リソルの森(CCRC)事業、福利厚生事業、再生エネルギー事業、投資再生事業の6事業を多角的に展開している。同社の事業セグメントは一見ばらばらのようだが、運営と投資再生を軸に事業間シナジーを発揮し、新しい価値観に対応して成長事業の拡大を進め、それぞれの業界で差別化を図っている。さらに、グループシナジーによって創出した、顧客に高い利便性やより大きな満足といった付加価値を提供している。例年、主力の運営事業と投資再生事業が収益を支えてきたが、2021年3月期〜2022年3月期は新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ禍)の影響によって、ホテル運営事業が低迷することとなった。しかし、施設運営と再生ビジネスという2つの事業領域で多角的に事業展開する強みを発揮、収益を維持することができた。



2. 各事業において、コロナ禍を考慮した施策を機動的に実施

ホテル運営事業では、滞在期間や利用目的など多様化する宿泊ニーズに合わせ、“ホテルリソル”をはじめ多彩なブランドで宿泊施設を運営している。ゴルフ運営事業では、顧客ニーズに合わせて様々な企画・サービスメニューを用意、安定した集客力を誇る。リソルの森事業(CCRC事業)では、2020年に「Sport & Do Resort リソルの森」をフルリニューアル、既存施設の改修やグランピング施設の新設などによって、より上質のリゾートライフ・リゾートワークを提供している。再生エネルギー事業は「福島石川太陽光発電所」の稼働が順調で、投資再生事業の一環として、第一設備の売却に続き第二設備の一部信託受益権を売却した。各事業において、コロナ禍を考慮した施策を機動的に実施している。



3. 新たな価値観に積極的に対応、「疎」や環境をテーマに事業を進化

2022年3月期の業績は、売上高20,902百万円(前期比7.0%増)、営業利益685百万円(同34.8%減)と、ホテル運営事業の低迷で営業減益となった。しかし、コロナ禍で急速に変化するマーケットに対応した戦略で既存事業の成長を図るとともに、Withコロナ時代の新たな価値観を積極的にとらえ、密をさけた新たなサービスの切り口として「疎」をテーマにプライベートリゾート・アウトドアリゾート事業を展開。



ゴルフ場でのプライベート空間と開放感を両立した戸建てスタイルの「フェアウェイフロントヴィラ事業」、貸別荘の運営・維持管理を行う「リソルステイ事業」など、新たな価値観に対応した新規事業を強化した。どちらも密にならない空間のプライベートリゾートで、コロナ後の新たな価値観による需要の拡大を見据え、今後も推進していく予定だ。

既存事業でも、「リソルの森」における人気のグランピングエリアやキャンプサイトの拡張など「疎」を新たな価値として事業展開を進めている。さらに脱炭素ニーズを見据えた太陽光発電設備の開発及び売電など、環境をテーマにした事業を拡張し、事業の持続可能性を高めている。今後も新しい価値観に対応した新規事業の進化を図る方針である。



4. 中期的にはホテル運営事業の回復が成長ドライバーになると予想

コロナ禍に引き続きウクライナ情勢など、依然先行き不透明な経営環境が続いているため、同社は2023年3月期の業績予想を未定とした。業績予想の開示が可能となった時点で速やかに公表する方針である。しかし、ホテル運営事業以外は収益化が進んだため、比較的安定した業績を想定することができる。最もボラティリティが大きいホテル運営事業も、規制緩和などWithコロナを睨んだ動きやインバウンド回復への期待など明るい話題が散見されるようになった。延期していたホテルの開業再開や、人気の「リソルステイ事業」の本格展開など、同社も前向きに動き出している。このため、足もとの短期的な業績を想定することは難しいが、中期的にはホテル運営事業の回復が同社の成長ドライバーになる可能性が高いと考えられる。



■Key Points

・強みのシナジーと事業ポートフォリオで「疎」や環境がテーマの事業を推進

・コロナ禍でホテル運営事業が低迷するなか、新規事業開発など積極策を推進

・ホテル運営事業に前向きな動き、回復期には同社中期成長をけん引する可能性も



(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)