■ミロク情報サービス<9928>の「中期経営計画Vision2025」



(4) クラウド・サブスク型ビジネスモデルへの転換

現在、売切り型での販売が約9割を占めるERP製品のクラウド化・サブスク化を段階的に進めていく。サブスク化することによって、一時的に売上高、利益はマイナス影響を受けるものの、外部要因に左右されず安定的な売上が見込めるようになるほか、リプレイス(買い替え)の際の営業工数も削減できるため、新規顧客開拓に営業リソースを集中できるようになる。また、将来、クラウド・サブスク化によって常に最新システムをユーザーが利用できる環境となるため、旧バージョン製品のメンテナンスコストを最小化できるといった効果も期待できる。すなわち、クラウド・サブスク化によって継続的な売上成長と収益性向上が見込めることになる。



顧客側から見ても売切り型と比較して初期費用が抑えられるほか、常時最新機能の利用が可能となることなどから、サブスクモデルへの移行メリットは大きい。前述したとおり、同社単体ベースのサブスク収入を含むストック型収入の比率は、2022年3月期の約40%から2026年3月期に55%に上昇する計画となっている。このストック型収入のなかにはオンプレミス販売の際の保守・サポートサービスの売上も含まれており、現在はこちらの売上比率が高いが今後はサブスク収入となるソフト使用料の比率が上昇していくことになる。



(5) グループ連携強化によるグループ会社の独自成長促進

専門分野に特化した高いコンサルティング力と独自のテクノロジーを生かし、グループにおけるシナジーの最大化を図りながら総合的なソリューション力を高めることで、グループ会社の成長を促進していく。また、グループの組織再編と運営体制の最適化を図ることによって収益力も強化していく。



トライベックに関しては、登録会員数330万人を超えるビジネス情報サイト「bizocean」の事業とデジタルマーケティング事業を融合することで、ブランド戦略から顧客獲得・育成までを支援する総合型DXコンサルティング企業を目指していく。会社Webサイトの見直しなどのニーズも強く、中小企業での潜在需要は大きい。また、トランストラクチャについては人事コンサルティングサービスのクラウド化・自動化を進めていくと同時に、同社との共同セミナー開催により新たな顧客開拓も進めていく。



そのほか、採用コンサルティング及び広告代理店事業を展開するアド・トップについては、採用に関するBPOサービスを第2の事業領域として早期に立ち上げ、2024年3月期以降に「採用×DX」サービスを統合型DXプラットフォームに実装していくことを目標にしている。中小企業にとっては人材採用・育成が経営の重要課題となっており、潜在需要は大きいと見られる。また、中小企業を対象としたM&Aコンサルティングサービスを展開するMJS M&Aパートナーズについては、事業承継ニーズの増加に対してITの活用や外部連携を加速しながら効率的に事業規模を拡大していく考えだ。



受託開発を行う子会社3社については、各社が持つ技術力を生かして特定用途への独自ソリューションによって成長を目指す。クラウド・Web領域を中心とした開発力の強化を図るとともに、営業力を強化することで成長していく。なお、M&Aについても引き続き継続していく方針で、対象としては統合型DXプラットフォームで提供可能なサービスを展開している企業などが候補となる。



(6) 戦略実現を加速する人材力・経営基盤強化

ウィズコロナ/アフターコロナを踏まえて、人材投資を加速し、働きやすい職場環境を整備していくとともに、新しい働き方に対応した経営・業務基盤の構築に取り組んでいく。



健康で働きがいのある職場づくりとして、テレワーク環境の整備や残業時間の削減、有給休暇取得率の向上、市場競争力のある処遇体系の整備や待遇面の向上、プロフェッショナル人材の育成・確保、全社員の研修体系整備と徹底した人材育成などをテーマとして取り組み、社員満足度の向上と人材確保・育成の強化を推進していく。また、社内の経営情報システムの刷新により、事業別・製品別の収支管理を可視化していくことで経営の意思決定の迅速化と最適化を図り、管理業務の生産性向上とデジタル化の実現に取り組んでいく方針だ。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)