■バリューアップ事業



1. 事業概要

バリューアップ事業は、半年から1年程度の短期プロジェクトである。首都圏エリアを中心に4〜8億円程度の中古の収益ビル等を購入し、外観や設備が経年劣化した不動産に対して、外壁洗浄、軒天井塗装、鉄部塗装、屋上防水、植栽交換等によって効率的に改修を行い、既存の建物の付加価値を高めたうえで、主に個人投資家を対象に売却する。2021年5月期から、大株主シノケングループのREITが同事業においても売却先に加わった。少額の改修工事で効果的に付加価値を高めることで、短期間での売却及び資金回収を図る。プロパスト<3236>は購入後すぐに工事に入るため、工事開始から1ヶ月後には販売を開始することもある。買収から売却へ短期間で事業を回しており、市場変動リスクが小さいと言える。現状、同事業では年間15〜20棟ペースで売却している。



バリューアップ事業の2022年5月期の売上高は5,720百万円(前期比35.9%増)、営業利益は699百万円(同48.4%増)と大幅な増収増益となった。立地条件が良く、収益性の高いエリアでの物件売却が進められた結果である。営業利益率は12.2%と安定して推移した。同社では、付加価値が見込める物件の仕入及び売却を続けており、それが安定的な利益率につながったようだ。売上高では会社全体の32.3%、営業利益では21.9%となった。



2. 特長

同社にはゼネコン出身者も多く、ノウハウに長けた人材が多い。特に、クリーニング、植栽、外光などの共用部分に対するバリューアップにも投資家のニーズはあり、資産価値の向上につなげている。



3. 実績例

最近の実績例は、以下のとおりである。

(1) 吾妻橋3プロジェクト(東京都墨田区)(※バリューアップ事例を参照

(2) 高円寺南2(東京都杉並区)

(3) 水道町(東京都新宿区)

(4) 永代2(東京都江東区)

(5) 滝野川3(東京都北区)

(6) 代沢(東京都世田谷区)

(7) 内神田4(東京都千代田区)

(8) 原町3(東京都目黒区)

(9) 西新宿2(東京都新宿区)

(10) 南品川2(東京都品川区)

(11) 世田谷4(東京都世田谷区)

(12) 広尾2(東京都渋谷区)



4. バリューアップ事例

バリューアップの具体的事例として、吾妻橋3プロジェクトでは、同社が物件を購入した時点で屋上の経年劣化が目立っていたが、既存の防水層を撤去し、下地を調整して塩化ビニールシートを施工することで、ビルの資産価値を高めた。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)