■今後の見通し



● 2023年3月期業績見通し

冨士ダイス<6167>の2023年3月期通期の連結業績は、売上高で前期比2.9%増の17,360百万円、営業利益で同2.3%増の1,140百万円、経常利益で同0.6%増の1,210百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同3.7%増の820百万円を見込む。上期は部材高の影響、上海のロックダウン、自動車生産の回復遅延などの影響で同2.5%増収ながら同21.8%減益を見込むが、下期には自動生産の健全化、部材費上昇分の一部転嫁、さらには半導体関連向けの売上拡大などから利益の回復を見込む。全体として部材高で厳しいも、製造原価率を2020年3月期比で1.5ポイント削減、下期に挽回し利益を維持できるとしている。



営業利益面での27百万円増の増減要因では、増収効果で486百万円、外注加工費軽減で150百万円、人件費抑制で171百万円の増益要因に対し、材料費高403百万円、その他変動費増209百万円、旅費交通費増60百万円、固定費増108百万円の減益要因を見込む。現状、上期は自動車生産の低迷、部材高騰の価格転嫁が進まない懸念があるが、同社はスタート時点で多少コストを多めに見込んでいることが多く、APTなど価格が弱含みで、今期についても会社計画並みの利益達成は可能と判断される。



2023年3月期の主要産業分類別(単独ベース)では、引き続き半導体関連の拡大継続で電機・電子部品向けの増加、同じく半導体、2次電池、EVモーター関連で金型・工具向け素材、半導体製造装置向け好調で生産・業務用機械などが増加するとみている。一方、鉄鋼、非鉄金属・金属製品が落ち込む予想としている。最大ユーザーの輸送用機械も回復継続としているが、昨今の自動車生産の状況から、下期に期待がかかる。なお、電機・電子部品、金型・工具向け素材については半導体の生産増、設備投資増額の見通しから会社計画は多少控えめな数字といえよう。自動車生産の回復遅れなども懸念されるが、全体として会社予想並みの売上確保が可能と見られる。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)