■要約



タナベ経営<9644>は、今年創業65年を迎える日本の経営コンサルティングのパイオニアであり、経営ミッションとして「ファーストコールカンパニー100年先も一番に選ばれる会社へ、決断を。」を掲げている。顧客企業の専門化・多様化している経営課題に対して、戦略策定(上流)から、デジタル技術も駆使した現場におけるマネジメント実装・オペレーション(中流〜下流)まで、企業経営を一気通貫で支援できる経営コンサルティング・バリューチェーンを全国地域密着で構築していることが特徴である。



同社は、2022年10月1日に純粋持株会社体制へ移行することに伴い、商号を株式会社タナベコンサルティンググループに変更して東証プライム市場への上場を継続するとともに、同社が営む経営コンサルティング全事業は100%出資の新設会社である株式会社タナベコンサルティングに承継する。



TCG (タナベコンサルティンググループ)総人員570名を超えるプロフェッショナルがチームとなり、創業以来培ってきた11,000社以上の経営コンサルティング実績及び実証済みのメソッドを駆使し、全国の大企業から中堅企業のトップマネジメント(経営者層)を主要顧客に、あらゆる経営コンサルティングサービスを提供している。



2019年10月にBtoB企業を対象にデジタルマーケティング支援を行う(株)リーディング・ソリューション、2021年1月にクロスボーダーを含むM&A全般の支援やバックオフィス部門に対してBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)・DX支援を行うグローウィン・パートナーズ(株)、2021年12月にブランディング、CX(カスタマーエクスペリエンス)デザイン、マーケティングDX支援を行う(株)ジェイスリーをグループ会社化した。今後もデジタル領域に強みを持つ企業のM&Aを積極的に実施し、経営コンサルティング事業の開発を強化する方針である。



1. 2022年3月期の業績概要

2022年3月期の連結業績は、売上高で前期比14.7%増の10,572百万円、営業利益で同23.2%増の926百万円と2期ぶりに増収増益に転じ、会社計画(売上高10,200百万円、営業利益900百万円)に対しても上回って着地した。売上高は同社の戦略コンサルティング及びDXコンサルティング等の単価及び契約数が増加したことに加えて、2021年1月に子会社化したグローウィン・パートナーズ(株)の売上が通年で寄与したこと、同年12月に子会社化した(株)ジェイスリーの売上が5ヶ月分加わったことも増収要因となった※。利益面では、増収効果に加えて同社及び(株)リーディング・ソリューションにおける生産性の向上が増益要因となった。同社とグループ会社の協業案件も増加傾向にあり、シナジー効果が出てきていることも増収増益につながったと見られる。



※(株)ジェイスリーは2021年12月に子会社化したが、みなし取得日が2021年10月31日となっており、同年11月から2022年3月までの5ヶ月分を連結業績に組み込んでいる。





2. 2023年3月期の業績見通し

2023年3月期は、売上高で前期比6.4%増の11,250百万円、営業利益で同9.6%増の1,015百万円と増収増益が続く見通し。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)や欧州における地政学リスク等により先行き不透明感が強まっているものの、中長期ビジョンや成長戦略の策定、M&A・事業承継、HR、DX等のコンサルティングニーズは根強く、これらのニーズに対して、「ストラテジー&ドメイン」「デジタル・DX」「HR」「ファイナンス・M&A」「ブランディング&マーケティング」の経営コンサルティング領域でグループの総合力を生かし、収益成長を図っていく。



3. 中期経営計画

同社は中期経営計画の業績目標として、2026年3月期に売上高150億円、営業利益18億円を掲げており、2022年3月期実績を起点とした4年間の年平均成長率では、売上高で9.1%、営業利益で18.1%を目指していく。積極的なM&A戦略により、経営コンサルティングの上流である戦略策定から中流・下流となるデジタル技術も駆使した現場におけるマネジメント実装・オペレーションまでを一気通貫で提供できる体制を構築するとともに、全国主要都市に事業拠点を配置し、地域密着型サービスの提供も可能であるという強みを生かしていくことで、今後の高成長が期待される。



■Key Points

・2022年3月期業績はM&A効果も寄与し、2ケタ増収増益に

・2022年10月に純粋持株会社体制に移行、「One & Only 世界で唯一無二の経営コンサルティンググループ TCGの創造」の実現に向け取り組みを強化

・5つの経営コンサルティング領域に経営リソースを集中し、2026年3月期に売上高150億円、営業利益18億円を目指す



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)