■今後の見通し



1. 2023年3月期の業績見通し

タナベ経営<9644>の2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比6.4%増の11,250百万円、営業利益で同9.6%増の1,015百万円、経常利益で同9.0%増の1,015百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同5.9%増の640百万円と、2期連続の増収増益を見込んでいる。同数値は2021年5月に発表した中期経営計画の業績目標値を踏襲したものとなっている。ウクライナ危機に端を発したエネルギー価格や食材価格高騰により、国内景気の先行き不透明感が強まるなかで、上期についてはこうしたリスク要因をある程度織り込み、営業利益で前年同期比1.2%増とやや保守的に見積もっている。ただ、中期ビジョン策定やDX、人材育成や人事制度改革、M&A等をテーマとした経営コンサルティングニーズは根強く、戦略策定(上流)からデジタル技術も駆使した現場におけるマネジメント実装・オペレーション(中流から下流)まで、企業経営を一気通貫で提供できる強みを生かしてこれらの需要を取り込み、収益成長を目指していく方針となっている。なお、ダイアリーについてはリニューアルとともに価格改定を実施することで、2022年3月期は前期比横ばい水準を見込んでいる。



同社は創業65周年を迎えることを機に、「One & Only 世界で唯一無二の経営コンサルティンググループ TCGの創造」を加速していくべく、2022年10月1日より純粋持株会社体制に移行する予定となっている。純粋持株会社となる(株)タナベコンサルティンググループがコーポレート本部機能及び内部監査機能を担い、その子会社として(株)タナベコンサルティング、(株)リーディング・ソリューション、グローウィン・パートナーズ(株)、(株)ジェイスリーが配置される体制となる。持株会社化の目的としては、グループ横断での経営資源の最適配分と効率的活用を行い、シナジーを最大限発揮することで収益を拡大し、グループ企業価値の最大化を図ることにある。現在進行中の中期経営計画(2021〜2025)「TCG Future Vision 2030」の目標達成に向けて、今後もM&Aを実施していく予定にしており、そのなかで各事業会社が事業戦略を推進していく体制を構築していくほか、東京証券取引所(以下、東証)プライム市場上場企業に求められるトップマネジメント体制を志向し、各事業会社における次世代経営者やリーダー人材を育成することで、グループ全体の人的資源価値の向上を図っていく方針だ。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)