■GMOペパボ<3633>の業績動向



2. 事業セグメント別の動向

(1) ホスティング事業

ホスティング事業の売上高は前年同期比7.8%増の2,520百万円、営業利益は同24.0%増の851百万円と増収増益基調が続き、第2四半期累計として過去最高を更新した。



「ロリポップ!」は売上高で前年同期比14.9%増の1,126百万円、営業利益で同41.4%増の643百万円と過去最高を更新した。第2四半期末の契約件数も前年同期末比0.6%増の426千件となり、若干ずつではあるものの9四半期連続で増加している。「ムームードメイン」との連携強化に加え、アフィリエイター向けの「ブログ収益化・副業スタートパック※」の展開(2022年4月β版提供開始、ハイスピードプラン12ヵ月契約以上の新規契約者が対象)や、継続的に更新率向上施策に取り組んだことが要因だ。増収率が高くなったのは、2021年11月に実施した価格改定効果が継続していることに加えて、月額550円のハイスピードプランに加入する新規契約者の比率が高まったためで、顧客平均単価も第1四半期の431円(前年同期比11.9%増)から第2四半期は449円(同15.1%増)と上昇傾向が続いている。なお、2022年12月期より新会計基準を適用したことに伴い、売上高は契約時一括計上方式から、契約年数での月額按分計上方式に変更している。



※「ブログ収益化・副業スタートパック(β版)」は、WordPressの自動セットアップ機能のほか、ブログの収益化を目指すためのガイド記事、副業学習用ギフト(Amazonギフト500円分)、利用者限定アフィリエイトプログラム「記事を執筆して初成果報酬をゲットしよう」を提供している。





「ムームードメイン」は売上高で前年同期末比4.2%増の1,092百万円、営業利益で同7.2%減の141百万円と増収減益となった。第2四半期末の登録ドメイン数は新規契約者数の減少により前年同期末比1.8%減の1,162千件と微減傾向が続いたが、既存顧客のドメイン更新率上昇により顧客平均単価が上昇し(1年ごとの更新で2年目に価格が上昇する)、増収要因となった。利益面では、為替の円安進行による仕入コストの増加が減益要因となった。なお、2022年12月期より新会計基準を適用したことに伴い、売上高はドメイン取得時に一括計上する方式から、契約年数で月額按分計上する方式に変更している。



(2) EC支援事業

EC支援事業の売上高は前年同期比7.3%減の1,506百万円、営業利益は同55.3%減の254百万円と減収減益に転じた。国内EC市場が巣ごもり需要の反動で伸び悩んだことも影響して、「カラーミーショップ」「SUZURI」ともに減収となり、「SUZURI」についてはテレビCMを実施したことにより営業損失を計上した。



「カラーミーショップ」の売上高は前年同期比1.9%減の884百万円、営業利益は同17.2%減の351百万円となった。利益面では、イベント開催やインフラ強化のための費用が増加したことにより2ケタ減益となった。第2四半期末の契約件数は、フリープランの利用増加により前年同期末比15.4%増の49.2千件となったが、有料プランの契約件数についてはフリープランを導入した2021年12月期第2四半期から減少に転じており、当第2四半期末時点では36〜37千件と1割程度減少したと見られる。一方、有料プランの平均顧客単価は販促支援アプリの利用増、並びに2022年4月に実施した価格改定の効果により上昇し(第1四半期の顧客平均単価は前年同期比7.8%増の3,705円、第2四半期は同12.8%増の3,850円)、有料プラン契約件数の減少による影響をほぼ相殺する格好となっている。



会社計画に対してフリープランの契約件数は届かなかったものの、有料プランについては計画よりも減少幅が小幅にとどまった。トライアルから本契約に至るまでの成約率が想定を上回ったことが要因だ。一方で、流通額は前年同期比10%台の増加を見込んでいたのに対して微減にとどまっており、流通額に連動する手数料収入は計画を下回った。なお、新会計基準を適用したことに伴い、決済手数料、振込手数料に掛かる一部の売上高について純額処理方式に変更したため、旧会計基準と比較して売上高が減少しているが、営業利益への影響は無い。



「SUZURI」の売上高は前年同期比17.0%減の460百万円となり、営業損失161百万円(前年同期は86百万円の利益)を計上した。最需要期となる夏のTシャツセール期間に合わせて、テレビCM等のプロモーション施策を実施し、SNSを通じた露出拡大にも注力したことで、会員数が前年同期比40.3%増の122万人に拡大した。一方で、巣ごもりの反動や競争激化によりサイトへの来訪者が減少したほか、Tシャツセールの実施期間が前年に比べ後ろ倒しになり(2021年は5月から実施したが2022年は6月中旬からとなった)、一部セール期間中に受注したアイテムの出荷が7月にずれ込んだこともあり、流通額は同18.6%減の12.9億円に落ち込んだ。なお、新会計基準を適用したことに伴い、仕入高や外注加工費等の商品原価を純額処理することになったほか決済手数料、振込手数料及び運賃に掛かる一部の売上高についても純額処理方式に変更したことで売上高が目減りした格好となっているが、営業利益への影響は無い。



(3) ハンドメイド事業

ハンドメイド事業の売上高は前年同期比1.5%増の859百万円、営業利益は同52.1%減の67百万円と増収減益となった。流通額は手作りマスクなどの特需が一段落した2021年以降、伸び悩み状態が続いているが、新型コロナウイルス感染症拡大で控えていたオフラインのイベント出展を再開したほか、割引キャンペーン等の販促企画を実施したことで同1.9%増の78.2億円と過去最高を若干ながら更新した。ただ、第2四半期だけで見ると同1.9%減の36.3億円と減少に転じるなど、年率2ケタ成長に復帰するまでには至っていない。平均注文単価は、家具やインテリア製品など高単価商材の販売強化に取組んだことが奏功し、3,600円台と前年同期の水準から1割程度上昇したが、注文件数が同8.0%減の223万件と減少していることが要因だ。このため、サイトへの来訪者数増加と購入率の向上が課題となる。利益面では、販促費用の増加が主な減益要因なった。



なお、新会計基準の適用に伴い決済手数料、振込手数料及び運賃に掛かる一部の売上高を純額処理方式に変更したため、旧会計基準と比較して売上高が減少しているが営業利益への影響は無い。



(4) 金融支援事業

金融支援事業の売上高は前年同期比134.5%増の219百万円と急増し、営業損失は15百万円(前年同期は73百万円の損失)まで縮小した。2020年11月からスタートしたFaaSによって、「FREENANCE」を導入する企業が増加したことで利用者数が拡大し、請求書買取額が同154.4%増の31.0億円と大幅増となったことが増収要因となった。FaaSの導入社数は認知度の向上や営業体制の強化を図ったことで、1年前の10〜20社から100社超まで拡大しており、FaaS経由の請求書買取額だけで見ると前年同期比4倍増の17.5億円となっている。利益面では、請求書買取額の増加とともに貸倒引当金が増加したものの、増収効果で吸収し黒字化まであと一歩のところまできている。



(5) その他

その他の売上高は前年同期比97.7%減の0.7百万円、営業損失は20百万円(前年同期は3百万円の損失)となった。2021年12月期にWebコンテンツ制作事業やブログサービス「JUGEM」を事業譲渡したことが減収要因となっている。現在は、習い事やチーム・教室運営における連絡や集金をクラウド上で一元管理できるサービス「GMOレンシュ」等の新規事業が含まれている。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)