■要約



MonotaRO<3064>は、兵庫県尼崎市に本社を置く、間接資材のインターネット通販会社である。間接資材は、製造工程で使用される研磨剤やドリル、軍手など品目が多種にわたり、業種による個別性が高い。間接資材市場は5〜10兆円規模であり、訪問工具商・金物屋・自動車部品商などが主な販売チャネルとなっていて、インターネット通販チャネルの成長性は高い。同業他社は、アスクル<2678>、ミスミグループ本社<9962>、アマゾンジャパン(同)などである。



同社のビジネスモデルの特徴は、同一の価格で間接資材を販売するという点である。不透明な価格での購入を強いられがちであった中小企業を中心に支持を受け、ニッチ市場における専門通販業者として確固たる地位を確立した。顧客業種は多岐にわたり、製造業、建設・工事業、自動車関連で6割を超える。近年は購買管理システム事業(大企業連携)も急成長している。2022年6月末現在で7,416千口座の顧客に対して約1,800万点を超えるアイテムを取り扱い、当日出荷対象商品61.0万点を販売する。ロングテールの商品の品ぞろえ、コストパフォーマンスに優れるPB商品(約34万点)、サイトでの商品推薦や短いリードタイムなどで、同社の間接資材プラットフォームは差別化されている。年率20%前後の高い成長性の継続に加え、ROE33.1%(2021年12月期)、自己資本比率62.3%(2022年6月末)と、収益性・安全性ともに際立つ業績となっている。



1. 2022年12月期第2四半期の単体業績

2022年12月期第2四半期単体業績は、売上高は前年同期比19.5%増の105,653百万円、営業利益は同12.2%増の13,540百万円、経常利益は同13.0%増の13,690百万円、四半期純利益は同13.0%増の9,493百万円となり、売上高・各利益ともに順調に成長した。期初計画比でも、売上高で1.0%増、営業利益で12.5%増と上振れて着地した。売上高に関して、主力の事業者向けネット通販事業及び購買管理システム事業(大企業連携)においては、主力の製造業をはじめとする事業者顧客の注文単価・顧客数ともに順調に増加した。顧客数は第2四半期で636千口座増と好調に推移した。購買管理システム事業(大企業連携)では、連携社数が前期末比で291社増加し、売上高は前年同期比38.1%増と高い成長となった。売上総利益率は、前年同期比0.1ポイント増の29.1%となった。販管費率は、前年同期比で0.8ポイント増加の16.2%となった。結果として、営業利益率は前年同期比で0.8ポイント減少の12.8%となり、営業利益は同12.2%増となった。



2. 2022年12月期の連結業績見通し

2022年12月期の連結業績見通しは、売上高は前期比19.2%増の226,073百万円、営業利益は同1.0%増の24,380百万円、経常利益は同0.4%増の24,392百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同2.8%減の17,067百万円と、売上高は高成長を維持し、各利益は2021年12月期並みの予想である。売上高に関しては、2021年12月期(前期比20.6%増)並みの19.2%増と高い成長を見込んでおり、初めて2,000億円を超える予想となっている。増益ペースが落ちるのは、将来の成長の基盤となる猪名川ディストリビューションセンター(DC)の開設に関連する費用の影響であり、一過性である。



3. 「時間資源」創出支援

同社は2000年の設立以来、20年以上にわたり右肩上がりの成長を遂げてきた。成長の主体は中小企業を主な対象とした事業者向けネット通販事業(monotaro.com)であり、今後も着実な成長が期待される。海外事業においては、今後インドネシア及びインドにおいて黒字化を目指すなど一段の成長を促すために、2022年に新たな戦略を打ち出した。これまでの事業モデルでは、顧客が間接資材の購買プロセスにおいて発生する時間(探す、見積もる、価格交渉する、配送を待つなど)を削減することで、顧客に貢献してきた。言わば、間接資材購買プロセス効率化による「時間資源」という価値の創出・提供である。これを新戦略として従来の購買プロセス以外の領域へ拡大すると言う。たとえば、建設工程管理や顧客間連携などのシステムにおいて発生する時間を削減するというように、様々なサービスや物の提供への拡大を目指す。新戦略の第1弾として、同社は、プロジェクト管理アプリ「KANNA(カンナ)」を提供する(株)アルダグラムへの出資(15億円)を実施し、業務提携したことを2022年6月に発表した。



■Key Points

・2022年12月期第2四半期は主力の製造業顧客の需要が好調に推移し、注文単価・顧客数ともに増加

・2022年12月期は売上高2,000億円超えを予想。売上高・各利益の第2四半期の進捗率は期初計画比を上回る

・新戦略として「時間資源」創出支援を打ち出す。第1弾として建設工程管理アプリのアルダグラムに15億円出資



(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)