■インテリックス<8940>の業績動向



2. 事業セグメント別動向

(1) リノベーション事業分野

リノベーション事業分野の売上高は前期比16.0%減の27,816百万円、営業利益は同11.7%減の1,334百万円となった。売上高の内訳を見ると、物件販売はリノヴェックスマンションの販売件数減少により同17.2%減の26,129百万円となり、賃貸収入も手持ち賃貸物件の減少により同15.3%減の150百万円となったが、その他収入はリノベーション内装工事の受注増により同11.6%増の1,535百万円(うち、リノベーション内装工事1,480百万円)となった。売上総利益は同7.8%減の4,301百万円となったものの、売上総利益率は同1.4ポイント上昇の15.5%となった。リノヴェックスマンションの販売が順調に進んだことにより、物件販売の利益率が13.8%から15.4%に上昇したことが主因となっている。



リノヴェックスマンションの販売件数は前期比20.5%減の1,129件と3期ぶりの減少に転じた。2020年春以降、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)によって中古マンションの流通物件が少なくなったことで、期初の在庫水準が低いところからスタートしたことや、半導体不足に起因した住設機器等の資材調達の遅延が影響して、商品化が遅れたことも販売件数の減少要因となった。地域別では首都圏が同29.1%減の455件、地方エリアが同13.4%減の674件といずれも減少した。ただ、需要は引き続き旺盛だったため販売そのものは順調で、平均販売単価は同5.4%上昇の2,324万円となった。



一方、仕入件数については前期比7.4%増の1,268件と2期ぶりの増加に転じた。地域別では首都圏が同17.0%増の565件、地方エリアが同0.7%増の703件となり、平均仕入単価も主に首都圏で積極的な仕入活動を行ったことにより同15.9%増の1,581万円と4期ぶりの上昇に転じている。拠点別で見ると、東京23区エリアが同48.8%増と2期前の水準まで回復したほか、2015年5月期以降減少が続いていた神奈川エリアも同3.1%増と下げ止まる格好となった。地方拠点では名古屋エリアを除くすべての拠点で増加に転じている。名古屋エリアについては競争が激化してきたことに加えて、営業体制の再構築に時間を要していることが低迷の要因になったと考えられる。



同期間(2021年6月-2022年5月)における首都圏の中古マンション業界動向について見ると、成約件数は前年同期比8.4%減の37,074件と減少に転じおり、在庫件数は2022年5月時点で3.7万件と前年同期の水準からはやや増加している。在庫についてはコロナ禍前の水準(2020年1月)と比較するとまだ2割程度少ない状況にあり、過剰感は見られず当面は需給タイトな状況が続くものと見込まれる。



なお、リノヴェックスマンション販売の売上総利益率に影響を与える事業期間は112日となり、前期比で5日増となった。内訳を見ると、販売期間が1日増加の72日、施工期間が4日増加の40日となっており資材調達遅延の影響で施工期間がやや長期化したことがうかがえる。ただ、販売面で値下げすることなく早期に販売できていることが売上総利益率の上昇につながったと見られる。



(2) ソリューション事業分野

ソリューション事業分野の売上高は前期比4.4%増の8,323百万円、営業利益は同40.1%減の840百万円となった。売上高の内訳を見ると、物件販売が同2.9%増の7,080百万円、賃貸収入が同10.7%増の1,002百万円、ホテル等の宿泊事業を中心としたその他収入が同25.1%増の240百万円となった。また、売上総利益は前述したように好採算物件の売却が無くなった影響により、同22.3%減の1,807百万円となった。



物件販売のうちリースバック事業の売上高は、前期実績の29.0億円から53.1億円に増加した。内訳を見ると、不動産ファンドへの譲渡で4,437百万円※、物件売却で880百万円を計上した。その他の収益不動産物件の売却については減少し、アセットシェアリング事業についても販売実績が無かった(前期実績は560百万円)。賃貸収入については保有物件の増加により増収となり、その他収入については2020年1月に開業したホテル「LANDABOUT(ランダバウト)」(東京都台東区)の稼働率上昇等により増収となった。



※2021年8月に88件を合同会社あんばいLB2号に1,843百万円で譲渡したほか、2022年3月に173件を合同会社あんばいLB3号に2,594百万円で譲渡した。帳簿価格は合計で3,666百万円。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)