■インテリックス<8940>の業績動向



3. 財務状況と経営指標

2022年5月期末の総資産は前期末比4,636百万円増加の40,932百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金が1,786百万円減少した一方で、たな卸資産が6,127百万円増加した。たな卸資産の内訳を見ると、通常物件が39億円増加の125億円、賃貸物件が21億円増加の69億円となっている。また、固定資産についても長期保有収益物件が同1億円増加の137億円となっており、これら収益不動産物件を合計すると同61億円増加の331億円とここ数年ではもっとも高い水準まで積み上がったことになる。これらは今後の事業拡大に向けての意図した積み上げであり、弊社ではポジティブに評価している。なお、物件仕入額については前期比62億円増の242億円、うちリノヴェックスマンションで同39億円増の200億円、その他物件で同25億円増の41億円となっている。



負債合計は前期末比4,243百万円増加の28,953百万円となった。未払法人税等が486百万円、匿名組合出資預り金が453百万円、その他流動負債が497百万円それぞれ減少した一方で、収益不動産物件の取得資金として有利子負債が5,612百万円増加した。また、純資産合計は前期末比392百万円増加の11,978百万円となった。配当金325百万円の支出があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益643百万円を計上したほか、自己株式の処分により66百万円の増加要因となった。



経営指標を見ると、有利子負債の増加により自己資本比率が前期末の31.9%から29.2%に低下し、有利子負債比率が179.2%から220.4%に上昇した。有利子負債については事業拡大のための資金調達手段となるが、最近ではクラウドファンディングを活用するなど資金調達の多様化にも取り組んでいる。2023年5月期に入ってからは新たに京葉銀行からサステナビリティ・リンク・ローン(SLL)※による資金調達を実施したことも発表しており、今後もサステナブル・ファイナンスを活用しながら、省エネリノベーション「ECOCUBE」の育成を図っていく方針となっている。



※SLLは、融資先のSDGs・ESG戦略におけるサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPTs)に対する達成状況に連動して貸付条件を変動させることで、融資先の目標達成を促進し、持続可能な経済活動を支援するローン。今回のSLLのKPIには、同社が取り扱う「ECOCUBE」仕様のリノベーションマンションの販売件数を選定し、その販売件数が増加していくことをSPTsとして設定した。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)