■今後の見通し



2. 2023年5月期業績の見通し

インテリックス<8940>の2023年5月期の連結業績は、売上高で前期比17.4%増の42,417百万円、営業利益で同31.8%減の930百万円、経常利益で同43.4%減の601百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同34.6%減の420百万円を計画している。売上高についてはリノヴェックスマンションの販売額が同17.3%増の30,776百万円と回復することで増収に転じるが、新規事業分野等への先行投資費用が約7億円増加することが減益要因となる。



事業セグメント別の売上高について見ると、リノベーション事業は前期比21.5%増の338億円となる見通し。リノヴェックスマンションは、販売件数で同10.5%増の1,247件、平均販売価格で同6.2%増の2,468万円を想定している。販売価格の上昇については、「ECOCUBE」の販売増に加えて資材価格の上昇に伴う価格転嫁の影響も含まれている。また、資材調達遅延の影響については一部残っているものの、標準品に切り替えるなどして対処できているようだ。売上総利益率に関しては前期比で若干の低下を見込んでいる。リノベーション内装事業の売上高は主に法人向けの受注増加により、前期比23.0%増の18.2億円を見込んでいる。



ソリューション事業の売上高は前期比3.3%増の86億円となる見通し。物件販売について前期はリースバック事業で2回の流動化を実施したが、2023年5月期は1回を予定しており、アセットシェアリング商品の販売予定も無く、その他の収益不動産物件の販売増を見込んでいる。リースバック事業については提携先からの仕入だけでなく、自社でも仕入強化を図るべくテレビCMを放映し、同社のサービスブランド「あんばい」の認知度向上を図っていくことにしている。





マンション市場は新築から中古市場に主役が交代し、今後は省エネ型リノベーションの需要が拡大する見通し

3. リノベーションマンション市場の中長期見通し

2021年の首都圏におけるマンションの販売動向について見ると、中古マンションは前年比11.1%増の39,812件と過去最高を更新し、新築マンションも同23.5%増の33,636件と増加に転じた。2016年以降6年連続で新築を中古マンションが上回る状況となっており、マンション市場において中古マンションの位置づけは年々高くなっていると言える。2022年については新築マンションが3.25万件と増加基調が続く見込みとなっているのに対して、中古マンションは1〜6月で前年同期比14.1%減の18,285件とやや低調に推移していることから、その差はやや縮小する可能性がある。



ただ、中長期的に見れば中古マンション市場は今後も安定して推移し、リノベーションマンションについては着実な成長が見込まれる。国土交通省の調べによれば、全国のマンションストックは2020年時点で675.3万戸、このうちリノベーションが必要とされる築30年以上の物件は231.9万戸と3割強を占めているが20年後の2040年には約2.5倍の578.3万戸に拡大すると予想されているためだ。マンションの1棟建て替えには居住者の同意が必要であり、実現が容易でないことも戸別のリノベーションマンション市場拡大を後押しする要因となる。実際、これまでマンション建て替えの実績は全国で263棟(2021年4月時点)にとどまっている。リノベーションマンションのなかでも今後は省エネ型のリノベーション需要が拡大していくと予想され、同分野で先行し内装工事でも豊富なノウハウと実績を誇る同社にとって成長余地は大きいと弊社では見ている。



なお、リノベーション住宅の認知度向上と流通促進を目的に同社等が発起人となって発足した(一社)リノベーション協議会が、優良なリノベーション品質基準を満たした住宅に発行する保証書「適合リノベーション住宅(R住宅)」の累計発行件数は2021年度末で62,909件となり、このうち同社のシェアは約23%とトップシェアとなっている。また、2021年度についても発行件数は前期比7.4%減の5,971件、このうち同社は1,064件と約18%を占めトップシェアを維持している。会員数が2009年の発足時から増加しているため※、直近のシェアはやや低下しているものの、今後も業界最大手として省エネリノベーション商品を積極展開していくことで、市場をけん引していくものと予想される。



※2022年3月時点で826会員と2009年の発足時から約7倍に増加している。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)