■成長戦略



1. 物心両面からの基盤づくり

日本プロセス<9651>は、社員への還元(成果主義による評価)や持続的成長への投資(人材、働きやすい環境・制度・設備)が業績向上につながり、さらに企業価値の向上(株主還元)につながる好循環を目指している。働きやすい環境や成果主義に基づく評価による社員の安心・健康・快適・成長・やりがいの向上が、社員の定着や活力・生産性・技術力・品質の向上につながり業績が上がる。結果として会社の持続的成長や企業価値向上につながるという好循環を生み出すため、物心両面から持続的成長の基盤づくりを継続的に推進している。



社員への還元の実績として2022年5月期には、業績連動賞与が5期連続で最高額を更新した。賃上げは昇給分と合わせて全社平均で約3%アップを実施した。さらに、社員のモチベーション向上を狙い、業績連動賞与の評価制度を改定した。2023年5月期業績に対する評価から実施する。採用活動に関しては、Webを活用した会社説明会・採用試験・面接を実施し、32名の新卒を採用した。



経営参画意識の向上や株主との価値共有を目的として、従業員に対する譲渡制限付株式報酬制度を導入した。全社員を対象として希望者に1人当たり200株を付与した。合計101,200株を付与しており、ほぼ全社員に付与されたことになる。





第6次中期経営計画では大規模案件請負を推進

2. 第6次中期経営計画の概要

第6次中期経営計画(2022年5月期〜2024年5月期)では、経営ビジョンに「ソフトウェアで社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献する。」を掲げ、基本方針として、人材育成のための大規模案件請負の推進(大規模案件受注に向けた営業力強化、新規設計力の向上、マネージメント力の向上)と、T-SESのトータル度向上を推進している。T-SESはトータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービスの略で、長年にわたり培ったソフトウェアエンジニアリング技術をベースとして、ソフトウェアの要件定義、システム開発、構築サービス、検証サービスから運用・保守までトータルにサービスすることにより、顧客に最大のメリットを提供することを表している。



なお業績に関する具体的な目標数値は公表していないが、目標とする経営指標としては売上高営業利益率10%、株主還元の指標としては配当性向概ね50%以上を掲げている。



特に重視している人材育成に関しては大規模案件の経験が不可欠として、大規模案件受注に向けた営業力強化(部門間の営業連携や本社による営業支援強化など)、新規設計力の向上(大規模案件による新規設計機会の創出、新規設計力の向上など)、マネージメント力の向上(大規模案件によるプロジェクトマネージ機会の創出、マネージメント力の向上など)を推進している。また長期的な取組であるT-SESのトータル度向上については、各分野でのトータル度向上、顧客へのサービス価値拡大を推進している。



計画1年目となる2022年5月期の進捗状況として、人材育成のための大規模案件請負の推進では、制御システムで再生可能エネルギーの大規模請負案件(電力グリッドシステム)を受注して成果が得られた。特定情報システムの危機管理関連の大規模請負案件、産業・ICTソリューションの航空宇宙分野の大規模請負案件は、事業本部及び部門間の連携による営業強化で受注に結びつけた。さらに、事業本部及びPMO(Project Management Office)が監督・支援してプロジェクトを推進する。T-SESのトータル度向上では、AD・ADAS基本ソフトで車種展開の一括請負を目指し、体制を強化した。さらに、JR在来線運行管理システムの一括請負に向けた操作端末用ツールを開発した。





人材育成の加速が収益力の向上へ

3. 収益力は着実に向上

同社は第6次中期経営計画を持続的成長に向けた基盤構築のステージと位置付けている。大規模案件請負を推進して人材育成につなげる方針だ。さらなる人材育成の加速によって、今後の収益力は着実に向上するだろうと弊社では評価している。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)