■今後の見通し



1. 2022年12月期の業績見通し

アイ・エス・ビー<9702>の2022年12月期の連結業績は、売上高で前期比9.5%増の28,673百万円、営業利益で同22.2%増の2,286百万円、経常利益で同21.2%増の2,353百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同26.5%増の1,404百万円とそれぞれ期初計画から上方修正した。第2四半期累計業績の上振れ分を通期でも上乗せした格好だ。ただ、足元も受注状況はDX関連を中心に好調を継続している模様で、人員の採用・育成も順調に進んでいることから、上振れする可能性が高いと弊社では見ている。



半導体不足に起因したセキュリティシステム事業の販売機会ロスや、サーバー・ネットワーク構築案件延伸の影響は、下期も続く見通しだが、リカーリング製品の伸長や、クラウド案件へのシフトを進めることによってカバーしていくことになる。なお、グループ全体の2023年春の新卒採用内定者数は前年比10名増の120名となっており、今後も成長の源泉となる人員の採用・育成に注力していく方針だ。各ソリューション分野の通期売上高見通しと下期の動向は以下のとおり。



(1) 「モビリティソリューション」

「モビリティソリューション」分野は前期比2.0%増の5,038百万円を見込む。下期も車載については既存顧客からの継続受注や新規顧客からのEV関連、自動運転関連等の受注増加が見込まれている。またモバイルインフラも新規顧客からの受注増加が見込めるほか、通信系組込み案件への提案を推進していく見込みである。移動無線端末はスマートフォンの開発案件の継続受注により、横ばいを見込んでいる。第2四半期までの売上進捗率が53.6%に上っていることから、通期売上計画に対し上振れする可能性がある。



(2) 「ビジネスインダストリーソリューション」

「ビジネスインダストリーソリューション」分野は前期19.8%増の10,698百万円と高成長を見込む。業務システムに関しては旺盛なDX需要を背景に、基幹システム刷新等に対応するプライム案件を獲得していくことで受注拡大を見込んでいる一方、組込み開発についても、IoT関連やAV、家電製品の開発案件の受注増加を見込んでいる。



(3) 「エンタープライズソリューション」

「エンタープライズソリューション」分野は前期比10.7%増の8,573百万円を見込む。システム開発では金融向けの主要顧客から継続して受注拡大が見込まれるほか、公共向けでは、新規顧客からの受注漸増並びに官公庁の入札案件に取り組むことで、受注拡大と商流改善による収益性向上を目指す。ITインフラについては半導体不足の影響を受けないクラウド案件へのシフトを進めるほか、運用管理案件については、好調を持続する見通しとなっている。



(4) 「プロダクトソリューション」

「プロダクトソリューション」分野は前期比4.4%減の4,362百万円と減収に転じる見通し。セキュリティシステム事業については半導体不足の影響を受けない製品群の販売を推進していくほか、リカーリング製品のさらなる伸長により、減収ながら増益を見込んでいる。「SDM」、「イージーパス」、「ALLIGATE」の3つのリカーリング製品で2022年12月期の売上高は、前期比3割増の7億円強となる見通しで、今後も年率2ケタ成長が期待される。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)