■今後の見通し



大幸薬品<4574>の2022年12月期通期の業績予想は、売上高で6,000百万円、営業損失で2,800百万円、経常損失で3,000百万円、親会社株主に帰属する当期純損失で3,300百万円を予想する。2年連続の赤字計上となるものの、下期単独では、感染管理事業の売上高および収益性の回復基調が顕著になる見込みである。



医薬品事業の売上高は3,843百万円(前期比5.6%減)と微減を予想する。国内では、堅調な店頭消化のなか、原料切り替えに伴う処方変更により生産量が一時的に低下するため、売上の減少を見込む。海外では、主力の中国等での需要は回復傾向にあり、通期では前期水準を見込む。第2四半期段階の通期売上高予想に対する進捗率は38.7%と進捗はやや遅れるが、原料切り替えの影響は一過性であり、海外売上も目途が立っている。



感染管理事業の売上高は前期比63.2%減の2,150百万円を予想する。上期は、消費者庁の措置命令に伴う返品等により、前年同期比で大幅な減少となったものの、下期はパッケージをリニューアルした「クレベリン」シリーズを市場投入し、一定の販売目途が立っている。感染管理商品分野では、例年8月から出荷が始まる秋冬に向けた商談が需要期に向けてのバロメーターとなるが、主要なドラッグストアチェーンにおいては、新しい「クレベリン」シリーズの棚の確保が進捗しており、消費者庁の措置命令に伴うブランド棄損の影響は、今後低減する見込みである。



販管費に関しては、構造改革を進めることにより前年同期比で2,962百万円減となる4,732百万円を見込む。営業利益に関しては、通期で2800百万円の損失(前年同期は4,948百万円の損失)、下期単独では383百万円(前年同期は2,668百万円の損失)の損失と、2期連続の赤字計上となるも、収益性改善が顕著となる予想である。なお、措置命令に伴う消費者庁からの課徴金については、現時点ではその発生時期及び発生額を合理的に見積もることが困難なため、業績予想には含めていない。弊社では、下期の課徴金(弊社試算では約6億円、過去3年分のクレベリン売上高の3%で計算)をもって悪い材料はほぼ出尽くしたと考えている。むしろ、感染管理事業のブランド棄損の影響が予想より軽微で、店頭消化が順調に進めば、来期の黒字化がより鮮明に見えてくるだろう。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)