■今後の見通し



1. 2022年12月期の業績見通し

トレードワークス<3997>の2022年12月期の連結業績は売上高で3,200百万円、営業利益・経常利益で300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で190百万円を計画している。期初段階では単体業績計画の発表であったが、その後あじょを子会社したことで連結業績計画を2022年5月に発表した。2021年12月期の単体業績との比較では売上高で25.3%増、営業利益で4.2%増、経常利益で3.7%増となる見通しだ。会計基準変更による影響額は通期では軽微になるとしている。



第2四半期までの通期計画に対する進捗率は、売上高で56.5%、営業利益・経常利益で100.2%、親会社株主に帰属する当期純利益で97.7%となり、営業利益と経常利益に関しては通期計画を第2四半期で達成した水準となった。同社では、2022年12月期は上期に開発案件が集中するため、下期は上期比で売上高が減少することに加え、新規事業領域等への投資や人材投資を継続的に行う予定にしていること、また2022年12月期は中期経営計画の初年度で、確実な計画達成を目指す方針であることから同社は計画を据え置いたとしている。



人材採用に関しては、単体ベースで前期比1.4倍増の30名弱(うち、新卒3名)を計画していたのに対して、第2四半期までの採用数は11名(うち、新卒3名)と進捗率はやや遅れ気味となっている。あじょを子会社化したことで開発リソースが強化されたが、下期も採用活動は継続する方針だ。エンジニア数は第2四半期末で118名となったが、中期目標の2026年12月期には210名まで増員する計画で、引き続き優秀な人材の採用に取り組んでいく。ただ、採用予定数に満たない場合は、採用費や人件費が計画を下回るため利益の増加要因となる。なお、2023年春の新卒採用は5名を予定している。



2022年12月期における事業環境については期初から変わりなく、主軸の金融・証券業界におけるIT投資意欲は旺盛で、足元の受注状況についても翳りは見られない。フィンテックによる金融業界への新規参入事業者が増加していること、金融システムのセキュリティ対策強化に対するニーズが増加していること、5G通信の商用サービス普及により高速通信を使ったサービスの開発ニーズが増大していることなどが背景にあり、開発力に定評のある同社に対して主要顧客を中心に開発案件を継続的に受注できているようだ。2022年8月にはミンカブ・ジ・インフォノイドが金融事業者向けに提供する総合情報サービスに同社の「Trade Agentt」を採用したことを発表した。



同社は、2022年12月期は中期的に高成長を実現していくうえでの事業基盤を構築する期間と位置付けており、以下の4つの重点施策に取り組んでいる。



・主軸事業である金融ソリューション事業の深耕により、証券インターネット取引システム領域でのシェア拡大を図る

・新規事業の収益化に向け、事業者との資本業務提携の関係を強化

・AI、IoT技術の利用や、フィンテックによる新しいサービスの開発に取り組む

・働き方改革、人材不足解消など、生産性向上をテーマとした高需要領域への進出を図る



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)