■要約



1. 会社概要

橋本総業ホールディングス<7570>は管工機材・住宅設備機器の1次卸で、管材や衛生陶器、空調機器など建築資材を全国の2次卸や工事店などに販売している。同社は130年超という歴史のある老舗で、四代目の現社長橋本政昭(はしもとまさあき)氏は「ベストパートナー」をテーマに、メーカーや販売先など取引先の満足度向上や地域に密着した営業、最新システムの活用を積極的に推進している。仕入先は大手有力メーカーが多く、なかでもTOTO<5332>の仕入高構成比は約30%を占める。各拠点ほか主要倉庫に売れ筋を常時在庫していることが特徴で、一部エリアでは当日配送も可能となっている。なお、2022年3月期のセグメント別売上高構成比は、管材類28.6%、衛生陶器・金具類30.7%、住宅設備機器類17.7%、空調・ポンプ21.9%であった。



2. 事業概要

同社が属する建設業界の市場規模は、新築・リフォームを合わせ70.5兆円、GDPの約10%を占める。このうち、同社の主要カテゴリーである管材業界※の市場規模は、管工機材・住設機器・空調機器合わせて約5兆円と大きい。国内では新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)対策や少子高齢化といった課題を抱えているものの、足元の住宅メーカー受注は堅調であるほか、コロナ禍対策商材など新分野の伸長、共働き世帯の増加に伴う保育施設や家事楽商材の増加、公共施設や高齢者施設へのコロナ禍対応設備の設置など、需要は拡大している。中長期的な市場環境は堅調で、収益性においても成長性においても堅実な市場と言える。以上のような業界環境のなかで同社は、管材から環境・設備機材へ、さらには建材や電材、土木などへと事業領域を拡大していく考えである。



※建築資材業界における主要3業態の1つで、主に水回りの資材や機器を扱っている。他の2業態は合板や構造材を扱う建材業界、配電盤やテレビ用アンテナなどを扱う電材業界である。





3. 中期経営計画

同社は「環境・設備商品の流通とサービスを通じて、快適な暮らしを提供する」という企業理念の下、すべてのステークホルダーの期待に応え、社会に貢献することを目指している。また、「設備のベストコーディネーター」「流通としてベストパートナー」「会社としてベストカンパニー」という「3つのベスト」を追求することで、取引先の課題を解消し社会に役立つことをビジョンとしている。このような企業理念の下、同社は中期経営計画「みらいプラン2025」を策定した。成長戦略としての「3つのフル」、ネットワーク戦略としての「みらい活動」、生産性向上のための「進化活動」、社会と共生するためのESG活動を通じて、2026年3月期に売上高1,650億円、経常利益率3%以上、純資産330億円、自己資本比率45%以上、長期計画として2031年3月期に売上高2,000億円、経常利益100億円以上、自己資本比率60%以上を目指している。



4. 業績動向

2022年3月期の業績は、売上高137,606百万円(前期比4.5%増)、営業利益2,504百万円(同1.0%増)となった。一部商品の供給遅延等に対して同社は、在庫、配送機能、情報力という卸機能を活用することでカバーした。供給が細るときに在庫をしっかりと積み、配送を滞らせず、スピード感を持って情報を的確に発信することで、取引先との関係をより緊密に築けたようだ。2023年3月期の業績見通しについて、売上高145,000百万円(前期比5.4%増)、営業利益2,800百万円(同11.8%増)を見込んでいる。「7つのみらい」を中心に、既存分野でのシェアアップと地域密着型の営業に積極的に取り組むほか、仕入・販売価格の管理強化により売上総利益率の向上に注力し、引き続きコスト削減を図る方針だ。2023年3月期第1四半期は、売上高32,886百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益415百万円(同15.5%増)、上期予想に対する進捗率は、売上高で49.8%(前年同期は47.2%)、営業利益で33.2%(同29.2%)と順調に推移している。トピックスとしては、2023年3月期に全国7ヶ所での開催を予定している「みらい市」がある。なかでも2期連続で中止となった「東京みらい市」は、ハイブリッド型の「WEBみらい市」として、過去最高の来場者数を予定している。リアル開催の「みらい市」は、仕入先や取引先同士が直接コンタクトできる非常に有効な機会であることから、売上拡大に拍車をかける計画である。



■Key Points

・130年超の歴史を誇る、水回りに強い管工機材・住宅設備機器の1次卸

・「7つのみらい」を踏まえた中期計画「みらいプラン2025」を策定。2026年3月期売上高1,650億円、経常利益率3%以上を目指す

・既存分野でのシェアアップと地域密着型営業に取り組むことで、2023年3月期は増収・2ケタ営業増益を見込む。第1四半期の進捗は順調



(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)