■要約



網屋<4258>は、サイバーセキュリティカンパニーである。国産メーカーとしてログデータマネジメントソリューション「ALogシリーズ」を開発し、通信インフラのクラウドサービス「Network All Cloud」を提供している。「SECURE THE SUCCESS.−セキュリティの力で、社会の成功を守る−」というビジョンを掲げ、世界中の誰もが安心できる「安全・安心な情報通信基盤」の実現をミッションとし、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)促進を支援している。



1. 2022年12月期第2四半期累計の業績概要

2022年12月期第2四半期累計(1〜6月)の業績(非連結)は、売上高1,411百万円(前年同期比7.7%減)、営業利益88百万円(同62.2%減)、経常利益117百万円(同52.0%減)、四半期純利益84百万円(同45.8%減)となり、期初会社計画(売上高1,489百万円、営業利益130百万円、経常利益136百万円、四半期純利益89百万円)を下回った。第2四半期に受注済みの大型案件の売上計上を予定していたが、顧客都合などにより納期が下期(7〜12月)に変更となったことが主な要因である。事業別業績は、データセキュリティ事業が売上高548百万円(同7.5%増)、セグメント利益287百万円(同2.1%増)となった。主力製品「ALogシリーズ」の販売が引き続き堅調に推移した。ネットワークセキュリティ事業は売上高862百万円(同15.3%減)、セグメント利益141百万円(同40.3%減)となった。主力製品「Network All Cloud」の販売が引き続き堅調に推移した。ストック売上高は良好に推移したが、スポット売上高は2021年12月期第1四半期に大型案件の計上があり、それが剥落したことが響いた。



2. 2022年12月期の業績見通し

2022年12月期業績(非連結)見通しは、売上高3,000百万円(前期比8.6%増)、営業利益303百万円(同16.3%増)、経常利益311百万円(同19.6%増)、当期純利益203百万円(同10.7%)である。データセキュリティ事業では、「ALogシリーズ」の機能強化やAI機能の高度化を推進し、新たなセキュリティニーズに対応するとともに、専門企業としての知識や経験を活かし、ログ運用管理サービスの提供を開始、総合的なセキュリティサービスの展開に取り組む考えである。2022年4月にはサイバー攻撃対策・内部不正対策など各種セキュリティサービスが定額で利用できるクラウドCSIRTサービス「セキュサポ」の販売を中小企業向けに開始している。また、「ALogシリーズ」をクラウドサービスとして提供する「ALog Cloud」を2023年2月にリリースすることも見込んでいる。ネットワークセキュリティ事業では、半導体不足に対して積極的な対策を講じ、安定的なサービス供給に努めるとともに、日々高度化が進むサイバー攻撃に対し、研究開発を通じて機能強化を行っていく考えである。2022年6月にクラウド無線LANサービス「Hypersonix」の新たなラインナップとして、「クラウドカメラ」サービスの提供を開始し、同社の持つ販売網を活用して、多拠点・多店舗をメインターゲットとしたアップセルや新規顧客の獲得に取り組んでいる。下期(7〜12月)には、ゼロトラストアーキテクチャに沿った新たなサービスのリリースを見込んでいる。



3. 成長戦略

同社が定めるKPI(経営指標)は、(1)全社ベースの売上高成長率10%以上(2)同営業利益率10%以上(3)データセキュリティ事業のストック売上高の年成長率10%以上(4)同事業の保守継続率85%以上(5)ネットワークセキュリティ事業のストック売上高の年成長率15%以上(6)同事業のサービス解約率10%以下である。メーカーならではの高収益性を活かし、次の事業拡張の投資財源に充当することで持続的な業績拡大を目指す。足元では、各指標はおおむね順調に推移している。同社の中期成長戦略は、データセキュリティ事業とネットワークセキュリティ事業の両事業を着実に成長させ、サイバーセキュリティの総合企業として事業規模を拡大していくことである。具体的には、データセキュリティ事業では、(1)AIによる不正検知の自動化(2)「ALog EVA」による統合ログ市場への進出(3)自動化パックの提供などに取り組む。ネットワークセキュリティ事業では、(1)テレワーク用VPNの販売強化(2)無線LANサービスの販売強化(3)運用代行サービスの強化(4)Ubiquiti(ユビキティ)社製の「UniFi(ユニファイ)シリーズ」の販売強化などに取り組む戦略である。



■Key Points

・2022年12月期第2四半期累計は前年同期比7.7%減収、62.2%営業減益も、大型案件の売上計上時期が第3四半期以降にずれたことが主因であるため懸念材料ではない

・2022年12月期通期会社計画は前期比8.6%増収、16.3%営業増益。過去最高益の更新が続く見通し

・データセキュリティ事業とネットワークセキュリティ事業を着実に成長させ、サイバーセキュリティの総合企業を目指す



(執筆:フィスコ客員アナリスト 藤田 要)