■要約



サイバーコム<3852>は、富士ソフト<9749>を親会社とするシステム開発会社で、通信分野で培った技術力を基盤としたソフトウェア開発事業を主力に、SI(システムインテグレーション:サーバ/ネットワーク構築、保守・運用、評価検証)サービスや自社プロダクトの販売などサービス事業も展開している。主要顧客はNEC<6701>グループで売上構成比の約3割を占める。2022年4月の東京証券取引所(以下、東証)市場区分見直しにより、スタンダード市場へ移行した。



1. 2022年12月期第2四半期累計業績の概要

2022年12月期第2四半期累計(2022年1月〜6月)の業績は、売上高で前年同期比11.4%増の8,267百万円、営業利益で同19.1%増の639百万円と期初計画(売上高7,900百万円、営業利益550百万円)を上回る増収増益となった。売上高は主力のソフトウェア開発事業が同11.4%増と好調に推移した。通信系は開発案件の一巡により減収となったものの、業務系が金融、公共分野を中心に好調に推移したほか、減少傾向が続いていた制御系も増収に転じた。サービス事業もクラウド移行・構築案件や5G基地局検証案件を中心に同11.4%増と増収基調が続いた。利益面では、増収効果に加えて販管費を抑制できたことも増益要因となった。計画比では、売上高の上振れによる売上総利益の増加が主な増額要因となった。



2. 2022年12月期の業績見通し

2022年12月期の業績は、売上高で前期比5.0%増の16,300百万円、営業利益で同4.8%増の1,000百万円とする期初計画を据え置いた。足元の受注状況は引き続き順調に推移していることから、通期業績についても会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。ソフトウェア開発事業では、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に対する投資意欲が依然旺盛で、業務系を中心に好調が続く見通し。サービス事業もクラウド移行・構築案件を中心に需要が旺盛なことから、AWS等の資格認定技術者の育成に注力し、これらの需要を取り込んでいく方針だ。また、自社プロダクトでは2022年3月に販売を開始した「Cyber Position Navi Plus」が注目されている。誤差10cmの高精度で人やモノの動線を正確に把握できることが特長で、工場や倉庫、店舗、オフィスなど様々な分野で利用できることから、業務効率の向上や売上拡大につながるソリューションとしての需要拡大が期待される。



3. 中期計画の進捗状況

2023年12月期までの3ヶ年中期計画「サイバーコムビジョン2023〜増収増益の継続〜」で同社は成長戦略として、ソフトウェア開発事業では「変化と創造」、サービス事業では「新サービスの確立」をテーマに掲げ、営業の効率化も進めながら持続的な収益成長を目指す方針を打ち出している。2023年12月期の業績目標は売上高で17,200百万円、営業利益で1,060百万円としているが、進捗状況は順調で営業利益に関しては1年前倒しで達成できる可能性も出てきていると弊社では見ている。同社では今後も成長の源泉となる人財への投資を継続していく方針で、エンジニアの採用環境が厳しいなかで2022年12月期からは未経験者の中途採用も開始している。また、教育研修を強化することで、個々のエンジニアのスキルアップを図りながら難易度の高い大型・高収益プロジェクトの受注を獲得していく戦略だ。注力分野としては、金融・公共分野、5G関連や自動運転等のモビリティ分野のほか、IoTソリューション等が挙げられ、今後の展開が注目される。



■Key Points

・良好な受注環境を背景に、2022年12月期第2四半期累計業績は会社計画を上回る増収増益に

・2022年12月期業績は期初計画を据え置くも上振れの可能性が高い

・3ヶ年中期計画「サイバーコムビジョン2023〜増収増益の継続〜」は順調に進捗



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)