■アイリックコーポレーション<7325>の業績動向



(1) 主要KPI

「保険クリニック」の店舗数(直営、FC)は、2022年6月期末時点で直営58店舗、FC196店舗、合計254店舗となり、前期末比で直営が6店舗増加、FCが1店舗増加し、合計で7店舗増加した。直営店は集客力の高いショッピングモール等から収益性の高い物件を精査・選別して出店し、FCは他業界からの保険代理店業界への参入意欲の高まりを背景として、いずれも増加基調である。



2022年6月期の直営店の集客数は前期比2.4%増の12,793人となった。コロナ禍の影響でショッピングモールへの人の流れがコロナ禍以前の水準に戻っていないことや、期初に計画していた大規模マーケティング施策を取りやめたことなどで新規来店数が減少し、全体として小幅増にとどまった。ただしWeb予約からの新規顧客数は増加した。



2022年6月期の直営店の成約率は、57.6%で前期比3.6ポイント低下した。新規来客数が伸び悩んだことが影響した。ただし期末の2022年6月には新規来客数が増加して成約手続中の顧客も増加しているため、2023年6月期の成約率は上昇に向かうことが期待されている。複雑化する保険商品に対応するための教育・研修を強化し、コンサルティング能力及び成約率の向上に努めている。



直営店の1世帯当たりの成約単価について、2022年6月期は前期比12千円増加して164千円となった。成約単価は保険商品の構成によって変動する傾向が強いが、老後資金に対する関心度が高く、変額保険や外貨建一時払い終身保険の販売件数が前期比60%増加した。また、保障内容の充実を図るケースや、医療保険・がん保険のセット販売も増加し、成約単価が増加した。



ASシリーズID数は、2022年6月期末時点の合計は9,995ID(代理店・銀行が5,575ID、保険会社が4,420ID)となり、前期末比合計1,594ID増加(代理店・銀行が同894ID増加、保険会社が同700ID増加)した。乗合代理店での導入が順調に推移し、増加基調を維持した。引き続き大手保険会社をはじめとした大型案件が複数継続しており、さらなる新規導入を推進する。



(2) セグメント別の動向

1) 保険販売事業

保険販売事業は売上高が前期比8.9%増の2,946百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が同8.4%減の450百万円となった。売上高の内訳は、直営店部門・RM部門が同3.4%増の2,552百万円、法人営業部門が同66.2%増の394百万円となった。直営店部門は新規出店による増収効果があったが、コロナ禍の長期化により「保険クリニック」への新規来店客数が微増にとどまったため、売上高が伸び悩んだ。法人営業部門は税制改正の影響が継続したが、大型案件獲得が寄与して大幅増収となった。利益面は「保険クリニック」新規出店の先行投資費用が増加したため減益となった。期末直営店舗数は前期末比6店舗増加して58店舗となった。直営店の新規集客数は同2.4%増となったものの、直営店の成約率は同3.6ポイント低下して57.6%となった。集客数が伸び悩んだ結果、成約率も低下した。直営店の1世帯当たりの成約単価は同12千円増となった。老後資金に対する関心度が高く、変額保険や外貨建一時払い終身保険の販売が同60%増加した。また、保障内容の充実を図るケースや、医療保険・がん保険のセット販売も増加した。



2) ソリューション事業

ソリューション事業は売上高が前期比13.3%増の1,566百万円で、利益が同57.9%増の594百万円となった。売上高の内訳はAS部門が同14.3%増の908百万円、FC部門が12.0%増の657百万円となった。AS部門はASシリーズのID数が順調に増加し、ストック収益が順調に拡大した。FC部門の店舗数は同1店舗増加して196店舗となった。店舗数は他業種からの保険ショップ参入などによる新規出店が増加したものの、コロナ禍の影響により一部代理店の解約も発生したため全体として小幅な増加にとどまった。



3) システム事業

システム事業は売上高が前期比24.5%増の686百万円、利益が同4.0%増の37百万円となった。売上高の内訳は「スマートOCR」関連が同76.0%増の532百万円、受託開発等が38.0%減の154百万円となった。売上面は「スマートOCR」関連の新規受注が好調に推移して大幅増収だが、利益面は「スマートOCR」関連の開発費や受注増加に伴うカスタマイズ費などが増加したため小幅増益にとどまった。現状は先行投資ステージのため開発売上が主力でカスタム開発費用も増加するが、今後の導入数拡大に伴って利益拡大も見込まれる。



2. 財務の状況

財務面で見ると、2022年6月期末の資産合計は4,578百万円で前期末比297百万円増加した。主に現金及び預金が161百万円増加した。負債合計は777百万円で127百万円増加した。主に契約負債が237百万円増加した。純資産合計は3,800百万円で169百万円増加した。主に利益剰余金が157百万円増加したことによる。この結果、自己資本比率は83.0%で1.8ポイント低下した。自己資本比率は若干低下したが依然として高水準である。キャッシュ・フローの状況にも懸念材料は見当たらない。無借金経営であり、弊社では財務の健全性は極めて高いと評価している。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)