■GMOアドパートナーズ<4784>の成長戦略



1. 事業環境

電通が2022年2月に発表した「日本の広告費」の調査結果によると、2021年の日本の総広告費は2020年比10.4%増の6兆7,998億円となった。コロナ禍の影響が下半期にかけて緩和し、広告市場全体が回復した。中でもインターネット広告費は継続して高い成長率を維持して21.4%増の2兆7,052億円となり、マスコミ四媒体(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)広告費の総計2兆4,538億円を初めて上回った。そして今後も、インターネット広告市場は動画広告やソーシャル広告なども寄与して高い成長率が予想されている。



2. 差別化要素・優位性

このように良好な事業環境のもと、同社は成長戦略として、マーケティングのデジタルシフト(動画、デジタルサイネージ、メタバースなど)に対応し、GMOインターネットグループのシナジーも活かして、自社商材・サービスの強化・創出による差別化要素・優位性の獲得を推進する方針としている。



3. サービス展開

インターネット広告市場が拡大基調であるなか、自社企画サービスを武器に利益水準向上が加速している状況を勘案すれば、中長期的に収益拡大基調が期待され、大きな成長ポテンシャルも期待できる。具体的なサービス展開として、2022年5月に、企業のSNS・YouTube公式アカウントをフルサポートする「オーガニック運用代行パッケージメニュー」の提供を開始した。企業の公式SNSアカウントにおける様々な課題を総合的に解決するため、戦略立案から分析まで一気通貫で行うサービスである。



また2022年7月に「GMOメタバースラボ」を設立してメタバース事業に参入した。Web3時代における新たなマーケティング課題やビジネス課題の解決に向けて、メタバース技術やブロックチェーン技術を活用して多様なサービスを展開する方針だ。グループ会社のGMOプレイアド(株)が、特許取得済みの感情取得技術を取り入れたCM動画検証ツール「PlayAds(プレイアズ)byGMO」の管理画面にAIテキストマイニング機能を実装し、動画を視聴した調査パネルのコメント分析を可能にする「コメントディスカバリーAI」の提供を開始した。





東証スタンダード市場への上場維持基準の適合を目指す

4. 東証新市場区分への取り組み

2022年4月に実施された東京証券取引所の市場再編に伴って、同社は東京証券取引所スタンダード市場に移行・上場したが、移行基準日時点(2021年6月30日)で流通株式比率が上場維持基準を充たしていなかったため、2021年11月22日付で「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を作成・開示している。



基本方針として、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するために、必要な資本政策を適時に実行していく方針としている。具体的には、適時情報開示及びコーポレートサイトでの情報公開など、投資家向けの情報発信を一段と強化する。また、いわゆる「MSワラント」(2021年9月21日付で自己株式を活用した第三者割当による第7回新株予約権(行使価額修正条項及び行使許可条項付)を発行)を用いた自己株式の売却による取り組みを実施している。こうした取り組みにより、2022年12月末日を目途に東証スタンダード市場への上場維持基準の適合を目指すとしている。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)