■要約



1. 小売などEC事業者向けに一気通貫したデジタルマーケティングを支援

サイジニア<6031>は、小売など消費者向けEC(以下、BtoC-EC)事業者に対し、人工知能(AI)技術やビッグデータ解析技術を活用したデジタルマーケティング支援を行っている。事業領域はターゲティング広告などネット広告サービスとサイト内検索などCX改善サービスで、関連市場の国内インターネット広告市場とデジタルマーケティング市場はいずれも成長を続けている。なかでもBtoC-EC市場は拡大のスピードが加速しているうえ、EC強化やECと実店舗の融合を促進するCX改善サービスに対するニーズが高い。同社は2014年の東京証券取引所マザーズ上場後、米国Yextとの提携やデクワス(株)の子会社化、ZETA(株)の経営統合などにより業容拡大を進めてきたが、足元では実質的な収益改善も進んでおり、成長に弾みがついてきた。



2. ZETAの好調などにより2023年6月期第1四半期営業利益は実質収益改善

2023年6月期第1四半期の業績は、売上高491百万円(前年同期比26.9%増)、営業損失61百万円(前年同期は6百万円の損失)となった。損失幅が拡大しているが、前年同期業績にZETAの業績(2022年5月期第1四半期)が含まれていないことが要因であり、これを加えた実質的な営業利益は同26百万円の収益改善となる。主力の「ZETA CXシリーズ」の販促や新サービスの開発を強化したことで、既存顧客のリピートや追加契約、新規顧客の増加、新サービス開発によるサービス領域の拡大が進んだことにより、収益が改善した。計画比では、ZETAの業績好調が寄与し、超過達成した。



3. 成長市場にフィットしたサービス展開により、中期的に高い成長を期待

2023年6月期業績について同社は、売上高2,800百万円(前期比7.9%増)、営業利益370百万円(同1.9%増)とする期初計画を据え置いた。同社がターゲットとするBtoC-EC市場は引き続き拡大が見込まれている。実店舗中心の小売企業は同市場で売上を確保するため、ECを強化する一方でリアルとWebの相互送客に対するニーズが高い傾向にあることから、同社の業績は好調に推移すると予想される。これに対し、営業利益の伸びが鈍い印象を受けるが、これは2022年6月期におけるZETAの連結が第2四半期からであるためだ。ZETAの2022年5月期第1四半期業績を加えた実質的な営業利益との比較では同31.2%増となり、実態は好調であると言える。このようにBtoC-ECという成長市場にフィットしたサービスを展開する同社は、中期的にも高い利益成長が期待できる。



■Key Points

・BtoC-EC事業者向けに一気通貫したデジタルマーケティングを支援

・2023年6月期第1四半期の営業利益は実質収益改善

・成長市場にフィットしたサービス展開により、中期的に高い利益成長を期待



(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)