■トピックス



1. 猪名川DCへの移行、尼崎DCの設備譲渡などが進捗

進行期は物流体制の移行期にあたり、MonotaRO<3064>最大の新物流拠点である猪名川DCの第1期分が計画どおり稼働した。自動搬送ロボット(AGV、800台)や自動荷揃え装置、システムによる配送区分設定の自動化などのDXやロボットなどのテクノロジーを活用した効率的なオペレーションが特徴である。使用延床面積は東京ドーム4個分に相当する約194千m2、在庫能力は60万SKUとなる。出荷能力は1日当たり9万行(9万件の出荷処理、第1期工事)となり、2023年の第2期工事を経て18万行が可能となる。同社の売上高に換算すると、売上高900億円(第1期)〜1,800億円(第2期工事完成時)の処理能力が確保できたと言えるだろう。尼崎DCは猪名川DCと並行稼働してきたが、出荷を徐々に猪名川DCへシフトし、2022年10月に尼崎DCからの出荷は終了した。第2期工事は2023年第2四半期を目途に計画しており、出荷能力が倍増することになる。



2022年12月期の物流関連コストは売上比8.0%(前期実績は6.5%)を計画する。猪名川DC開設や尼崎DCの閉鎖などにおいて一時コスト(売上比1.0%)がかかるのに加え、通常コストに関しても、減価償却費や設備賃借料などの比率が高くなり、前期比で売上比0.5%増加するのがその内訳である。第3四半期を終えて、物流関連コスト合計は売上比で7.7%(一時コストが0.9%分、通常コストが6.8%分)となっている。これは、注文単価の上昇に伴う人件費率の改善や外部倉庫賃借の見直しなどによる設備賃借料率の改善が要因である。



なお、尼崎DCの設備に関しては譲渡が決定した。2022年度の業績における尼崎DC閉鎖関連費用・損失は、合計で965百万円(現状回復費用などの販管費124百万円、固定資産処分損やリース差入保証金等の特別損失841百万円)と見込まれる。当初の計画では、費用・損失合計で869百万円の計画であったが96百万円上回ったことになる。



2. 商品情報管理システムの運用開始

物流プラットフォームとともにITプラットフォームも同社の強みの根幹である。同社では、ITプラットフォームを自社で構築する方針により開発を行っている。2022年1月に運用を開始したOMSは、配送方法・ルート最適化による顧客の「商品を待つ時間短縮」及び荷別れ抑制・オペレーション負荷平準化による「配送・物流関連コスト抑制」を目的としたシステムであり、順調に稼働している。2022年9月には、PIMの運用が開始された。このシステムは、商品情報をより充実させていくための起点となるもので、情報の詳細化により商品検索をよりスムースにし、「商品を見つける時間」のさらなる短縮を図ることを目的としている。OMS及びPIMが稼働したことにより、間接資材販売事業における成長加速と、それに伴うオペレーションの拡大を安定して支える体制が整った。今後は、顧客満足度やコスト削減などの具体的な成果の顕在化が期待される。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)