アルファ<3434>は11日、2023年3月期連結決算を発表した。売上高が前期比17.0%増の628.82億円、営業利益が同2.4%増の6.01億円、経常利益が同30.1%増の13.48億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同12.7%減の5.24億円となった。



自動車部品事業(日本)については、主要得意先での生産調整は続いているものの、年度後半からの回復基調等により、売上高は前年同期比19.1%増の90.01億円となった。一方、原材料価格やエネルギー価格の高止まり等により、営業損失は0.05億円(前年同期は2.25億円の損失)となった。



自動車部品事業(北米)については、依然として主要得意先での生産調整影響を大きく受けているものの、円安進行に伴う為替換算の影響等から、売上高は同16.7%増の122.55億円となった。一方、原材料やエネルギー費、インフレに伴う一段のコスト増等により、営業損失は5.43億円(同1.24億円の損失)となった。



自動車部品事業(アジア)については、ASEANでの生産調整影響は比較的少なかったが、中国においては主要得意先での生産調整やロックダウンによる減産影響を大きく受けた。売上高は為替換算の影響等もあり、同7.3%増の180.16億円となった。一方、原材料やエネルギー価格の一段の上昇等により営業損失は0.02億円(同2.47億円の利益)となった。



自動車部品事業(欧州)については、依然として半導体供給不足に伴う得意先減産の影響を大きく受けているものの、為替換算の影響等から、売上高は同12.5%増の114.13億円となった。一方、原材料費の高止まりに加え、エネルギー費の大幅上昇影響等により、営業損失は3.45億円(同1.83億円の損失)となった。



セキュリティ機器事業(日本)の売上高は同35.9%増の137.55億円、営業利益は同56.8%増の18.37億円となった。住宅・産業用ロック部門については、下期以降、戸建の新設住宅着工の減少による影響を受けつつも、住宅市場での電気錠の認知や需要の高まりと、世界的な電子部品逼迫の状況が回復傾向にあることから生産の増加が図れ、前年度に比べて住宅関連製品の売上は好調に推移した。また、ロッカーシステム部門については、夏場のコロナ感染拡大が収束した後は、政府の水際対策緩和と全国旅行支援策により国内観光需要がコロナ前の水準まで回復したことでコインロッカーのオペレーション収益が改善し、さらに人手不足による省人化・効率化へのニーズが高まったことでロッカーへの投資マインドが上がり大型物件の特需へつながった。



セキュリティ機器事業(海外)の売上高は同51.4%増の83.15億円、営業利益は同29.1%増の5.38億円となった。日本向け製品(電気錠)の生産増により、増収増益となった。



2024年3月期通期の連結業績予想については、売上高は前期比11.3%増の700.00億円、営業利益は同232.8%増の20.00億円、経常利益は同33.5%増の18.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同128.9%増の12.00億円を見込んでいる。



また同日、2023年4月14日に創業100周年を迎え、2024年3月期第2四半期末配当において、1株当たり10.00円の記念配当を実施することを発表した。これにより2024年3月期中間配当金は普通配当10.00円に記念配当10.00円を加えた20.00円となり、年間配当金は期末配当予想25.00円と合わせ45.00円となる予定。